そうちゃん的テレビの見方

そうちゃん(長男・10歳・知的障害アリ)をテレビの前に座らせるとスゴイ。

なにがスゴイって、カチャカチャカチャカチャ!!

チャンネルをかえまくる、そのスピード!

その回数!!

                                                             

この間、リビングに置いているテレビが故障したので、電器屋さんに来てもらった。

テレビの裏を開けて、チャッチャカチャっとしたかと思うと、あっという間にテレビはよみがえり、無事、修理完了。

ホッ。

で、電器屋さんが玄関のドアを開け、さあ帰ろうという時、クルリと振り向き、言った。

「あっ、、、、そうそう、一つだけ聞いてもいいですか?

テレビの下のところ、、、えっと、フタをパカッと開けて、チャンネルをかえるところがありますよねー。

あそこのツメ(ボタン部分)が全部折れて、陥没してるでしょ?

あれは、いったいどうしたのかなーと思って。。

私も、壊れたテレビ、いろいろ見てきてますけど、あんな風になってるのは今回初めてなもんでー。。」

                                                         

犯人は、、、、もちろん、そうちゃん。

チャンネルをかえる回数とその速さに耐えられなくなったツメは、テレビの内側へと押し込まれてしまったのだ。

(それでも、そうちゃんは、その押し込まれたところに、さらに指を突っ込む形で、なに不自由なく、チャンネルをかえ続ける。)

                                                           

そうちゃんが、落ち着いて、一つの番組を見入るということは、非常に少ない。

たぶん、それは、障害のため、言葉が理解できないので、”一つの番組を続けて見る意味”があまりないところにありそうだ。

(ちなみに、集中して見る番組は、大相撲とNHKの子供番組。

あと、”天気予報”も好き。

なにしろ、明日、晴れるのか、雨降りなのかが、彼にとっては大問題らしい。

雨だと、予定していた事が中止になったりするので、”雨マーク”にいい印象がないらしい。

だから、天気予報で、”明日は晴れ”と聞くと、心から落ち着くご様子。

よく、”world weather”も見ているけれど、「リオネジャネイロ、明日は雨、、、、。」というアナウンスを聞くやいなや、ガバッと私の方を振り向き、ムッとした顔をしながら、画面のリオネジャネイロ付近の”雨マーク”をつっつきながら、「ママ! 雨??」(訳:「ママ、明日は雨が降るの?」)と、すごい剣幕で私に聞く。

こういう時、どういう風に、、、いったい何から説明すればよいのか、、、息子よ、、、どうか、この私に教えておくれ。。。)

                                                        

私も、初めこそ、そうちゃんのそばで一緒にテレビを見ていると、タッタカタッタカ、次々ちがう番組にかわるので、頭がクラクラして、とても一緒になんて、見ちゃいられなかったけれど、人間の順応性というものは、なかなか立派なものだ。

訓練さえすれば、どーにかなってくるものらしい。

たぶん、それは、”速読”に近いものなのかもしれないけれど、パッパッパッパッかえられても、だんだんに、そこそこ、どの番組にもついていけるようになるから不思議だ。

                                                          

で、ひっきりなしにチャンネル巡りしているものだから、結構な確率で、そうちゃんの好きなCMにピタリとたどり着く。

そうちゃん、文字や言葉はわからないけれど、どうやら音楽(CMソング)は、スーッと頭に入ってくるらしい。

例えば、「心を満タンに! コ・ス・モ・石油」(コスモ石油のCM)

「心を満タンに!」のフレーズが流れると、両手をブンブン振りながら、それきたとばかりに、「コ・ス・モ・石油!!」と、テレビと一緒にはもる。

                                                        

「かあさん、お肩がこってるの、プチプチプチプチプチシルマ~

とうさん、お首がまわらない、プチプチプチプチプチシルマ~」(プチシルマのCM)

これが、チャンネルをかえている途中で、ドンピシャはじまると、「あった~!!」

高笑いしながら、テレビと一緒に合唱。

そして、最後に、「レーダー」とナレーションの人が言うところは、必ず、ナレーションの人とピタリと声を合わせて、「レーダー。」

(ナレーションの人のマネして、落ち着いた声で。)

                                                          

で、今、私が一番楽しみにしているのは、葬儀社のCM。

おじいさんが、画面に大きく映り、静かにやさしく微笑みながら、「行ってきます。。。」と言い、クルリと背を向け、テクテクテクテクと向こうの方に歩いて消えていく、、、というCM。

葬儀社のCMだけに、本来、しんみりするハズのものだけれど、そうちゃんは、そのCMにあたると、「あった~! あった~!!」と、大はしゃぎ。

テレビ画面にペッタリとはりつきながら、大きな声で、「じーじ! じーじ!」

そして、「いってぃらっしゃーーーいっ!!(訳:いってらっしゃい。) ハーッハハハハッ ハーハハッ(大笑い)」

ひっくり返りながら、大ウケしながら、手をふる。

”、、、、、、、、、。 いやー、そうちゃん、、、、。そこは笑うところじゃないでしょー。。”と思いながらも、喜ぶそうちゃんを見ながら、ウッヒッヒッヒッヒッ。

私も一緒に笑っているのだから、この光景は、かなり奇妙だと思う。

                                                          

そうちゃんの心を射止めるCMは、確かに、直球で、ノリがよく、耳に残るものが多い。

言葉も文字もわからない人に、なにか、メッセージなり、興味を強烈に残すCMは、ある意味、最高のCMだったりして。。。           

                                                             

P。S。

昨日、掃除機をかけていたら、そうちゃん、私にマジな顔で言った。

「ママー! ママー! 何歳?」

「はっ???」

指差す先を目で追うと、、、、、なんと、掃除機。。。

そうちゃんとの会話は、まー、一日中、そんな感じです。

いや~ ただでさえ暑い夏です。

そうちゃん、どうぞオテヤワラカニ願います。。。

                                                        

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いつか私も、”チャングムの誓い”。。。

韓国の人気ドラマ、”チャングムの誓い”。

私のまわりにも、2度、流行の波が訪れた。。       

                                                           

1回目。

それは、ちょうど、昨年の今頃。

私が、次男を出産して、病院に入院していた時。

私の母・よしこと姉が、はまりに、はまっていた。

姉は、私のちょうど1ヶ月前、二人目の子供を里帰り出産し、実家に帰って来ていたのだ。

                                                           

トントン。

ノックする音が聞こえ、よしこが私の病室にお見舞いに来てくれる。

よしこは、ドアを開けると、べビーベッドに寝ている次男のところに直行し、のぞき込む。

そして、「あらー。 また寝てるー。。。 どうして、寝てばかりいるのかしらー? せっかくお見舞いに来たっていうのに、目を開けてないなんて、面白くないわねー。 ほらっ、ほらっ、起きなさーい。」と言いながら、ベッドをゆらゆらと揺らす。

そして、「あらーっ! なに! この太い腕! ホント、”男の子”って感じねー。」、、、と、お見舞いに来るたびに、ほぼ毎回、私に同じことを言った。

そして、必ず、「かわいいわね~!」と、ついでのように付け加え、それから、本題に入る。                                                    

                                                      

「もーね、ママ、眠いのよー! だってね、昨日もあんまり寝てないの。」

聞けば、姉と二人で、毎晩、深夜まで、”チャングム”をレンタルして、見ているらしい。

「もー 最高よ! 昨日も面白かったわー! ちはる(私のこと)ちゃんも、退院したら、一緒に見ましょうよ。」と、私を誘った。

                                                       

私が退院して、週末、実家へ行くと、なるほど、よしこに聞いた話どおり、二人(よしこと姉)は、深夜まで延々、チャングムを見続けていた。

途中、傍らに寝ていた、姉の生後1ヶ月の赤ちゃんが泣いた時。。

「あーら、、なんで泣いているのかしら?? さっき、ミルク、あげたばかりじゃない?、、、(壁にかけてある時計を見上げながら)あらやだ、りか(私の姉のこと)ちゃん! もう3時間たってるわ。ほんと、赤ちゃんのお腹って時計みたいねー!」と、よしこは言い、二人でウンウンうなずいていた。

それから、仕方なく、姉がミルクをあげ、、、、。

と、言いたいところだが、姉は、立ち上がろうという気は、さらさらない様子で、代わりに、テーブルの上にあるリモコンの”一時停止ボタン”をピっと押した。

すると、そのピッという音と同時に、よしこが、ヨイショと立ち上がり、ミルクをキッチンでチャッチャーとつくったかと思うと、タッタカターッと小走りでリビングに戻って来た。

そして、姉がリモコンをピッ(今度は、”再生ボタン”を押す音)とする音と同時に、よしこは赤ちゃんにミルクを飲ませた。

この辺の一連の動作には、少しの無駄も感じられず、どうやら、二人の間では、暗黙の了解の中、役どころ(姉は、ピッ・よしこは、ミルク当番)が決まっているらしかった。

                                                        

チャングムは、全54話あるらしく、よしこたちは、あと、もう残り20話、、、というところにきていた。

よしこは、今までのストーリーを、テレビを横目でしっかり見ながら、”この人が、あーでこーで、、、あーしてこーして、、、。”と、私に、ベラベラベラベラ・ベラベラベラベラ話して、解説してくれたが、、、、なにやら、サッパリわからなかった。

ただ一つ、よしこの長い長い解説の中でわかったのは、”こんな面白いものはない”という事だけだった。

”こういう「続きもの」は、ぜひとも、最初から、じっくり見たい。

そんな素晴らしいものなら、なおの事!”

私は、そう思い、途中から仲間入りすることは、あえてせず、見たいけれど、見ないようにガマンして、チャングムは、これからの私の楽しみにとっておくことに決めた。

                                                       

父は、よしこと姉が熱狂する中、最初は、一緒に見ていたらしいが、”「毎回、事件が勃発して、それから、こうなって、、、。」と、ストーリーが、いつも決まっていて、その繰り返しなので、つまらない。”という理由から、途中リタイアしており、なんとなーく、リビングの中で、一人、仲間はずれっぽくなっていた。

(その、父のチャングム評が正しいとすれば、そんな、”パターンもの”、それこそ、父の、もっとも好むところだと思うのに、、、リタイアするなんて、意外だった。

だって、父は、誰もが認める、”サスペンス番組”の大ファン。

視聴率アップには、相当、貢献しているハズだ。。。)

                                                         

よしこは、「これは絶対に見たほうがいいわよー。 一緒に見ましょーよー!」と、私のダンナさんも誘っていたが、ダンナさんは、チラリとテレビに目をやったものの、「あー、面白そうですねー。、、、じゃ、私、お先に、やすませていただきます。」と、義理息子として、当たり障りのないセリフを残し、お布団の敷いてある和室へとスーッと消えて行った。

                                                         

そして、2回目の波。

なんと、1回目の波の時、まったく関心を示さなかった私のダンナさんが、目覚めた。

今年に入り、たまたま、テレビの再放送を見て、”これはおもしろい! 見るぞっ!!”という事になったのだ。

週末になると、チャングムをレンタルし、それはそれは嬉しそうに大事そうに、小脇に抱え、帰って来る。

どうせ見るなら、大きな画面で、、、ということで、家のテレビより大きいテレビがある、私の実家へと泊りがけで通った。

                                                       

私も、この2回目の波にのって、一緒にハマルはずだった。

、、、、が、そこには、思いがけない壁が立ちはだかっていた。

”睡魔”という、えたいの知れない壁が。。。

リラックスチェアー。

これこそ、私の最大の敵であった。

実家のテレビの前に置いてある、このチェアー。

角度にして、70度くらいだろうか。。

いけないことに、スツール(足置き)までついている。

この、素晴らしく座り心地のよいチェアー。

これが、思わぬ誤算だった。

このチェアー、”いつもお疲れでしょう。 さあさ、どうぞゆっくりお眠りください。”というために、この世に存在するものらしい。

毎回、「チャングム! チャングム! さー 見よう! 早く早く!!」と、私は、ハリキッて、そのチェアーを陣取り、見始めるのだが、5分とたたないうちに、私は、意識を失い、、、、気がつくと、私の上には、毛布。。

そして、”チャーチャーチャー  チャーチャチャー  チャーチャーチャーチャー  

チャーチャーチャー  チャーチャチャー  チャーチャーチャーチャー~”

という、心にしみる、あの美しいチャングムのエンディング・テーマが聞こえてくる。

ハッ、、、また寝てしまった!!

サッと、そばにいるダンナさんを見ると、決まって毎回、大きなため息をフーッと、ひとつつき、「あー。。今日も面白かったー。 いや~ 面白い!!」と、悔しいほどの満足顔。

、、、、という事が、しょっぱなから、何度もつづいたため、またもや、”こういう「続きもの」は、ぜひとも、最初から、じっくり見たい。

そんな素晴らしいものなら、なおの事!”、、、という事になり、またまた、54話を、泣く泣く見送る事となった。

                                                         

姉は、”初めから、もう一度、ストーリーを何も知らない状態でチャングムを見てみたい。

まだ、見ていないっていう人がうらやましいー!”と言って、私のことを、とてもうらやましがっている。

ダンナさんも、54話、見終わり、週末は、心なしか寂しそうだ。

さー、みんながうらやむ中、ゆーっくり見るぞーっ、チャングム!

今度こそ!!

                                                     

                                                         

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