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もてなしの心

前回のブログ(“そうちゃん・受験終わる”)で、そうちゃん(長男・15歳・知的障害アリ)がとても落ち着いて、いつもの自分を見失くことなく試験を終えることができたことを書いたけれど、

どうして、こんなにスムーズに事が運んだのかなあ・・・???

 

それを考えたとき、行きついたのは、学校の先生方の“もてなしの心”。

きっと、これに尽きると思う。

 

当日、学校玄関の入り口で受け付けをする時から、すでにその“もてなしの心”は笑顔という形ではじまっていた。

靴をぬいで、控室にすすむ廊下には、まるで花道のように高等部の先生方がずらりと並ぶ。

そして、ちょっと緊張気味のそうちゃんに、先生たちが口々に、

「おはよう。」

 「おはよう、そうた(そうちゃんの名前です。)くん。」。

そして、

「だいじょうぶだよ~。」。

 

先生たちは、固くなったそうちゃんの気持ちをやわらげられるよう、あたたかなやわらかい笑顔でそうちゃんをフワリと包み込む。

これは、最初から最後まで一貫していて、最後、そうちゃんが試験を終え、靴をはいて帰るときは、見送りの先生が、さりげなく、

「そうたくん。

 今日は、一日、がんばったね~。」。

 

その一つ一つが、大げさでなく、むしろ、静かで控えめで、、、、

だから、どうしてこの場がこんなに心地よいのか、すぐにその場ではわからないけれど、それは上質であるがゆえに、

風にのって運ばれた、どこの家の庭から香ってきているのかわからない金木犀のほのかな香りのように、いつまでもいつまでも心に心地よい余韻を残す。

 

どの子にとっても、節目のこの日(受験の日)。

どうか、その子その子にとって、ベストな形で終えたい。

そして、付き添いのお母さん、お父さんにも、気持ちよく帰ってもらいたい。

そんな気持ち(心意気)が、“なんだかよくわからないけれど、思いがけず、感動の一日”になったのだと思う。

 

そういえば、そうちゃんが通っていた幼稚園(知的障害のある子供たちが通う幼稚園)も、その“もてなしの心”は、徹底していた。

幼稚園の先生方はみな、 「子供たちが“今日一日、楽しかった~!!”と思えるような幼稚園でありたい。」 と思っていたと思う。

口では言わないけれど、先生たちをみていると、伝わってきた。

 

朝、幼稚園の駐車場に通園バスが入ってくるとき。

一日が終わり、通園バスが駐車場から出ていくとき。

 

先生たちは、一人残らず、通園バスのもとへ駆け寄る。

そして、朝は、通園バスから、ぎこちない足取りでタラップから降りてくる子供たち一人一人に、

「おはよう!!」

 「おはよう!!」

新鮮なほほえみとともに、声をかえる。

 

そして、帰りは、

「さようなら!!」

 「バイバイ!!」

と、ニコニコ笑顔とともに、一段一段タラップをゆっくりとのぼっていく子供たちに、声をかける。

「また明日ね~。」。

 

気持ちが安定せず、バスに乗ろうとしない子供たちには、 “早くのりなさい!” なんて、野暮なことは言わない。

ただただ、ひたすらにその子の気持ちに寄り添って、静かに、そして、あたたかく見守る。

待つ。

その子の心が動くまで、ゆっくりと、ただひたすらに待つ。

そして、通園バスが出発するまでの間中、バスの外から子供たちに手をふり、バスが出発して姿がみえなくなるまでバスに手を振り続けていた先生たち。

そうちゃんたちは、言葉を話すことや、理解する力は恵まれていないけれど、こういう先生たちのあたたかい気持ちややさしさやまなざしは、そうちゃんたちにも、ちゃーんと伝わる。

 

障害があって、言葉も自由でなく、こだわりがあって、不安が強くて、とてもわかりづらい子供たちだけれど、でも、だからこそ、

もっとわかりたい。

もっと知りたい。

もっとその子の心の近づきたい。

もっと支えたい。

 

“もてなしの心”って、きっとここから生まれてくるものなんだろうなあ・・・。

すべてを受け入れてくれて、心から歓迎してくれる気持ち。

それは、障害があったってなくったって、子供だって大人だって、こんな心地よいことはないものなあ。

“もてなしの心”をもてる大人になりたい。。。

 

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