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ガラスの男~その2

前回ブログのつづき

                                      

夜が明け、朝がきても、そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)は、立つどころか、足を地面につけることさえできない。

足首は熱をもち、腫れがひどい。

普段は、朝から寝るまでしゃべり続けるそうちゃんだけれど、「痛い!」「痛い、、、。」と言う以外は、一言もしゃべらない。

パパと私が抱えてトイレに連れて行っても、どういう姿勢をとっても痛いためなのか、神経がはりつめているからなのか、昨日の夕方以降 、まったくオシッコがでない。

 

”とりあえずは、病院へ急ごう。”ということで、私たちは早朝、ホテルを出発。

高速をとばした。

その日は、日曜日だったのだけれど、ちょうど自宅近くの病院があいているらしい。

その病院へつくまで、結局、そうちゃんは、一言も発しなかった。

 

病院へ行くと、その日は、当直の先生が一人来ているのみ。

その先生が、患者さんをすべて診ているらしかった。

(外科・内科・・・来る人拒まず、という感じで、窓口に来た人は皆、その先生が診ていた。)

結論から言うと、その病院で、”左足首骨折”ということが判明したのだけれど、骨折だとわかるまで、約3時間半の時間を要した。

どうしてって、、、。

骨がどういう状態になっているかは、ご存知、レントゲンを撮れば、すぐにわかる。

ところが、その”レントゲンを撮る”ということが、どんだけ大変だったかっっっ!!

レントゲンを撮るに至るまでの道のりは、あまりに長かった。

”聞くも涙、語るも涙”といったところ。。。

 

そうちゃんは、痛いのと怖いのと、立つこともできないことで、すでに混乱状態。

”レントゲン、、、?

、、、って、なによ、それ??

今から、ボクに何をするの???

ちょ、ちょ、ちょっと~!

そんな銀ギラの宇宙服(防護服のこと)みたいの着て、みんな何してんの?

今から、いったい、なにがはじまるの??

きっと、痛いんだよね?!

ぎゃ~~~ 

いやだ~~~

絶対 いやだ~~~~!!!

断固 いやだ~~~~!!!”

(そうちゃんの心の内を母・ちはるが想像してみました。。)

という感じで、興奮してしまって、レントゲンの台の上にすら、まともに上がることができない。

イキのよい魚がまな板の上でピチピチはねている状態を想像してくださいませ。。

(もちろん、じっとしていないと、レントゲンは撮れません。)

 

看護師さんがレントゲンを撮ろうと試みるものの、そうちゃん大暴れで、これじゃあ、話にならない。

何度も仕切りなおして、試みたが、猛獣化したそうちゃんに、もやは手をつけられない。

こんなことじゃあ、一生、私たちは、レントゲン室からでられない。

さっきから、どんだけ時間がたっているだろう。

さっき、先生が、

”おそらく骨折していると思うけど、その骨折の状態しだいでは、手術が必要になることもある”って言っていたし、、 、。

だいたい、レントゲン一枚でこんなことじゃ、これから先、どうなってしまうんだろう???

”障害があるって、、、こんなに大変なことだったのか。。。”。

今さらながら、あらためて思った。

 

レントゲン室で、そうちゃんの荒れ狂う姿に唖然。

時間がたつにつれ呆然。

久しぶりに”絶望”というものに打ちひしがれていた私。

”ダメだ、、、。

これ以上、こりゃ どーにもならない。。。

そうちゃんを助けたい一心で、大急ぎでこの病院までたどりついたのに、こんなことじゃー、そうちゃんを助けられない。

私の力じゃ どーすることもできない。。。”。

                    

ところが、人生、うまくできている。

、、、と、そんな”地獄絵図”のようなレントゲン室に、救世主が現れた。

向こうの方から、患者さんを山ほどかかえ、大忙しのハズの先生が直々にレントゲン室に登場!!

優雅に鼻歌を歌っている。

そうちゃんをリラックスさせるように配慮しながら、

「は~い、おじちゃんで~~すっ!!

そうちゃ~ん。

おじちゃんと一緒に写真とるか~?!

”ハイ チーズ”だぞー!!

いいか~?!」

と言いながら、「あっちいって~!!」と暴言をはくそうちゃんを大きく包み込むように、”おじちゃん”は、ガハガハ笑っている。

 

、、、、と、そうちゃん、こういう”心の大きな人” ”おおらかな人”は、なぜかよーくわかる。

瞬時に”人間”をみぬく。

「しゃしん?」

と、ちょっと尻込みしながらそうちゃんが言うと、先生は、

「そーそーそーそー。

 ”ハイ チーズ”だっけよ~。

すーぐ終わる!!」。

さっきまで、看護師さんは、

”この台にのぼって、足をこの位置にちゃんとおいて、じっとしておいていただかないと、レントゲンはとれません。

無理です 。”

の一辺倒だったのに、その”おじちゃん”は、

「よっしゃー。

この画がとれればいいから、、、こんな風な感じで大丈夫。

この角度でオッケ~!!」

と言いながら、そうちゃんを抱え込むようにして、レントゲン台に足だけ上げて、、、。

奇跡的にレントゲンを撮ることができたのだった!!

あっぱれ!!

 

あの先生だから、撮れた。

あの先生でなければ、何時間あっても無理だったと思う。

そして、あの先生だったからこそ、最終的な応急処置である、”足のグルグル包帯巻き”(これまた大変な労力を要しましたが。。。)ま で行き着けたと思う。

最後に先生が、

「今日は、わたしね、本当は当直の予定じゃなかったんだけど、たまたま急遽、連絡もらってお願いされて、この病院に当直にきたと~。

でも、今日、そうちゃんのこと、わたしが診てあげられてよかったー。」。

 

人生の要所要所で、本当、いろんな人に出会い、助けられ、お世話になっている私たちであります。。。

次回へつづく

 

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