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2010年5月

ガラスの男~その7

前回ブログのつづき

                                                             

病院に着き、受付をすませると、以前、お世話になった時、そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)が大好きだった看護婦さんが向こ うの方からやってきた。

そして、

「あらららららら~! 

足、どーしたの???

またまた、派手なことになったね~!!」。

                                                

その日は、診察の後、もちろん、レントゲンを撮らなければならなかったのだけれど、、、。

その看護婦さんがレントゲンを担当。

さすがに、その日こそ、昨日の余韻でまだ緊張の面持ち。

ビクビクしていたけれど、次回からは、レントゲンは、スムーズに撮れるようになった。

、、、、それどころか、病院へ行く前に、必ず、そうちゃんは、

「(今日)レントゲンある?」

と聞くようになり、

「あるんじゃな~い?」

と私が言うと、

「やった~~~~!!

うれしい~~~~!!」

と、ぴょんぴょん跳ねながら大喜びするまでになった。

(、、、、、、。

なら、初日のあの騒ぎは、いったい何だったのか、、、??

騒動に巻き込まれた者としては、そのへんが非常に知りたい。。)

                                             

”歩けない”というのは、なかなか大変な日常だった。

”立てない”というのが、もっと問題。

でも、そうちゃんの場合、家の中は、座ったまま”いざり”ができたので救われた。

家の中は、ズリ~ズリ~っと、いざりで移動。

日に日に、高速移動も可能になった。

だから、私が力仕事を要求されるのは、トイレとお風呂だけだった。

最初は、お互い、不慣れなので、”力”だけで勝負。

すると、体を支えるだけでもクタクタに。。

しばらくは、”安静を保って車イス生活”といわれていたため、これが続くと思うと、気が遠くなりそうだった。

けれど、ふと、”古武術”のテレビがあっていたのを思い出した。

参考になったのは、

”鎧は持てば重いけど,担げばまだ軽くなる,着ればさらに軽くなり,走ることもできる”

という言葉。

(これ、介護のみならず、全ての物事にいえることです。)

                                              

どんな風な動きをすれば、一番負担なく、楽に介助できるか、私なりに研究。

そして、それを日々、試してみるとともに(これはこれで、成果があるので、けっこう楽しいことだった。。)、そうちゃんにも、少しず つ、協力できそうなところは、自分でも頑張ってもらうことにした。

ただ、”頑張ってもらいたいところ”は、なにぶん、”力のかけ方の加減”なので、なかなかそうちゃんには伝えづらいだろうと思っていた。

きっと、そのへんは、そうちゃんには、わかってもらえないだろうと思っていた。

けれど、

「ちょっと腰をあげて」

「ちょっとそっちをずらして」

「そこの手すりをもって、ちょっと体を支えて」

とか、ものすごく抽象的な言葉に、そうちゃんがピピピッ。

恐ろしくシャープに、正確に反応!!

正直、驚いた。

思わず、パパと、

「そうちゃんって、、、すっ、、、すごくない??

よく、言ったこと、ちゃんとわかって、理解してるよね~!!

なんか、見直すよね~!!」

と、感心しきり。

人間、極限に追い込まれると、神経が研ぎ澄まされるのかもしれない、、、。

いや、、、本当に。。。

次回へつづく

                                 

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ガラスの男~その6

前回ブログのつづき

 

病院近くのタワーパーキングに車を停め、車のトランクから車イスを出す。

そこから歩いて5分くらいのところに、病院はある。

そうちゃん、ここのところ急に大きく、そして重くなったので、車イスを押すのは、なかなかの重労働だ。

 

歩道の上を走る車イスの”カタカタカタカタ”という、規則正しいタイヤの音。。。

そして、私の胸の前にある、そうちゃんの形のよい頭、そして、髪。。。

、、、ふと、思い出した。

幼き日のそうちゃんのことを。。

”いつ以来だろう。

こうやって、そうちゃんと歩くのって、、、。

私がそうちゃんのバギー(車イス)を押していたのは、いつの日のことだっけ。。。”。

     

そうちゃんは、歩くのがとても遅かった。

3歳8ヶ月の時に初めの一歩をふみだしたけれど、それからすぐにちゃんと歩けるようになったわけではない。

少しずつ少しずつしか歩ける距離はのびない。

だから、今の次男(5歳)くらいの頃になっても、そうちゃんには、バギーが必需品だった。

歩けるところまで歩かして、あとは、バギーに乗せて移動していた。

、、、そんな生活が長かったのに、私は、元気いっぱいに歩き、走る、今のそうちゃんに慣れてしまって、そのことをうっかり忘れかけて しまっていた。

今では、”そうちゃんが歩けるのは当たり前のこと”になってしまっているけれど、あのまま歩けず、一生車イスですごさなければならな かった可能性だって、十分あったのだ。

それを思うと、

”そうちゃん、歩けるようになって、本当によかったね。。。”

という思いが、こみあげてきた。

もしかしたら、意気揚々と力強く大地をけって歩くそうちゃんの姿をみれなかったかもしれなかった。

 

それに、車イスでの生活になっていたとしたら、きっと日常の大変さは、並大抵ではなかったはずだ。

今日だって、雨が降っていなかったからよかったようなものの、雨が降っていたら、たった5分歩く、ということが難しい。

車イスに両手をふさがれて、傘なんてさせやしない。

自分がぬれるのはいいけれど、車イスに乗せたそうちゃんがぬれるのは、きっといやだったろうと思う。

それを思うと、

”そうちゃんは、歩けるだけで、十分親孝行してくれてる。

ありがとね。”

という気持ちも、わいてきた。

そして、一方で、複雑な思いもあった。

”歩けるようになったらなあ。。。”と願いながらも、それが叶わず、歩くことができないお友達たちが、そうちゃんのまわりにはたくさ んいる。

そのお友達の無念さを思うと、そうちゃんだけ歩けるようになって、申し訳ないような気持ちにもなった。

 

物事は、いつも、たまたま偶然に起こるような気がする。

でも、実は、今回の骨折も、そうちゃんなりに、そして、この私にも、きっと”何か意味あってのこと”のような気もする。

こんなことでもないと、私は、そうちゃんが歩けなかった日のことを、あやうく忘れてしまうところだった。

”骨折した足が治ったら、そうちゃんが自分の足で歩く日が、またやってくる。。”

そのことが、とてもうれしい。

待ち遠しい。

あらためて、私の中で、忘れかけていた、あの日(バギーを手放した日)の感動が、また新鮮によみがえってきた。。。

次回へつづく

 

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ガラスの男~その5

前回ブログのつづき

                                        

家の車のトランクに車イスをのせ、いつものように助手席にそうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)を乗せる。

書いてもらった紹介状片手に、さあ、病院(個人病院)へ向かって出発!

そうちゃんは、スムーズに車には乗り込んだものの、これからまた病院へ行って何をされるのか(そうちゃんには)予測がつかないため、 思いっきり腰が引け、顔がこわばっている。

病院までは、車で約15分。

で、その15分間の私たちは、かなり異様であった。。。

                                                     

私とそうちゃんは、完全に、いつものような”母と子”の関係ではなくなっていた。

で、その関係は、さながら”監督と選手”のようだった。

イメージとしては、バリバリの体育会系・ラブビー部あたりの”監督と選手”。

闘いの場であるフィールド(私たちの場合:整形外科のレントゲン室)を前にして、監督(私)が選手(そうちゃん)に、”ゲキ”をとば す。

、、、もちろん、ご存知の通り、そうちゃんには、重い知的障害があるため、難しいことを言っても、よく理解できない。

(ちなみに、やさしいことでも難しい。)

それは、いつもそばにいる私が一番よーく知っている。

、、、けれど、それをよ~く知った上で、あえて、私は、そうちゃんに長々と説教。

”骨が折れたいじょうは、ちゃーんと病院へいって、きちんと治療してもらわないと治らない。”

とか、

”世の中には、もっと大変な病気にかかる人もいっぱいいるんだから、そうちゃんの骨折なんて、どーってことない。”

とかいうことを、 とくと説明。

                                              

そして、ひとしきり、”詳しい状況説明”が終わると、

「そうちゃん、今日は、しっかりよ!!

 たのんだよー!!」

「そうちゃん、い~い?

も~、気合よ、気合!!」

「昨日みたいにビビッテたらね~、、、冗談じゃないからね!!」

「(レントゲンは)”ハイ チーズ!”で、すぐに終わるんだから、そうちゃん、ちゃんと、がんばってよ~!!

きっちりしないと、今日という今日は、絶対にゆるさないからね~!!」。

                                       

そして、会話が一区切りつくごとに、私は、そうちゃんに、

「わかった~??

ちゃんとわかったら、お返事!!

”はい!!”は?」

と言い続けた。

そうちゃんも、最初は、目をパチパチしながら、”ママ、、、なにいってんの、、、?”という感じで、ただただ驚き、あっけにとられて いた。

が、いつしか、私の勢いにすっかりのまれて、”なんかよくわかんないけど、、、???”という顔をしながらも、そのたびに、

「はいっ!!」 

「はいっ!!」

と、力強い返事を返したのだった。。。

次回につづく

                        

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ガラスの男~その4

前回ブログのつづき

                                     

長い夜が明け、いつものように、また朝が来た。

そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)に、”今日は、学校へ行く前に、病院にいくよ。”と伝えると、そうちゃんは、昨日と変わら ず、びびってオロオロしていた。

、、、が、私は、昨日の私とは、ちょいとちがった。

                                                         

もう、すっかり開き直っていた。

で、それは、

”わたしゃね~、もうこ~なったら、捨て身でいくよ~っ。

さっ、(そうちゃん)、とっとと私について来なー。

たった骨の一本や二本折ったくらいで、ジタバタするんじゃないよ~。

わかったかい?

私の言うこときかなきゃ、承知しないよ、ベイビ~。”

くらいの開き直り方であった。

ここに至っては、”やるべきこと”をお互い、淡々とやるしかないのだ。

私は、きっちり、そうちゃんを病院へ連れて行く。

そうちゃんは、しっかり足を治すために、病院の先生の言われた通りにする。

、、、それしかない。

                                         

自宅から病院まで、遠くても、昨日診てもらった当直の先生(”おじちゃん”先生)に、これから先もぜひ診てもらいたいなあ、、、と思 った。

けれど昨日の先生は、大学病院から来ていた先生で、しかも、整形外科ではなかった。

ガックリだ。    

                                      

昨日行った病院は、総合病院。

ちょっと規模が大きいため、平日は、きっと、患者さんも多いに違いない。

そんなザワザワしたところは、きっと、そうちゃんは、身の置き所がなく、落ち着かないだろう。

それに、一番気がかりなのは、病院の先生との相性。

そうちゃんの場合、先生との相性次第で、状況(そうちゃんの気持ちのあり方)が、ガラリと、まったく変わってくる。

なので、今日、病院へ行ったら、紹介状を書いてもらって、別の整形外科(個人病院)へ変わることにした。

                                              

その個人病院は、以前、ケガをした時、そうちゃんがお世話になった。

そういえば、その時、そうちゃんは、その先生のことがとっても好きだったことを思い出したのだ。

先生には、そうちゃんと同じ学校(特別支援学校)を卒業したお子さんがいる。

だから、気負うことなく、ごくごく自然に、そうちゃんと接してくださる。

そうそう、、、。

そうちゃん、その病院の看護婦さんとも仲良しで、いっぱいしゃべって(質問しまくり)、(本人は)とっても居心地よさそうにしていた っけ。

だから、その個人病院で、今回も診ていだくことに決めた。

                                 

クララ(そうちゃんのこと)の乗る車椅子を押して、さあさあ、いざ、整形外科へ!!

                                          

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ガラスの男~その3

前回ブログのつづき

                             

幸い、骨折した足首の骨は、ずれてはいなかったため、入院して手術することだけは、まぬがれた。

ただ、骨折で歩けないとなると、しばらくは、車イスかあ、、、。

、、、となると、”いったいトイレは、どうなるの?”。

、、、というのが、私の一番の気がかりだった。

けれど、先生から、

「安静にしておかないといけないけど、トイレに行くくらいだったら、(支えて)立たせてもオッケー。

トイレで大丈夫。」

と言ってもらえたので、まずは一安心。

せっかく数年前にオムツとサヨナラしたばかりなのに、これを機に、またオムツにもどってしまった、、、なーんてことになったら、それ こそ骨折どころではない、一大事だ!

(そうちゃんなら、、、あり得そうでコワイ。。)

もう折れてしまったものはしかたない。

骨折のことは、すっぱり受け入れるしかない。

けれど、その夜、私は、”明日という日”を考えるとゾゾゾーっ。

恐ろしくて、しばらく目がさえて眠れなかった。

 

、、、というのも、早速明日、そうちゃんをまた病院へつれていかなければならないのだ。

明日もまた、レントゲンをとらないといけないらしい。

そして、その後もしばらく、数日おきに通院しなければならないらしい。

、、、、で、だれが、あの、、、あのそうちゃんを病院へ連れて行くんだっけ???

、、、げっ、、、当然のことながら、私しか、、、いないではないかっ!!

 

私は、これまで、おばけとか霊とかが、世の中で一番コワイと思って生きてきた。

テレビでやっている”心霊写真特集”とか、”リング”などのコワ~イ映画は、いっさい見ることができなかった。

でも、今なら胸をはっていえる。

混乱すると、パニックになり、打つ手のない、今日のそうちゃんが、一番コワイ!!

ちょっとジャンルは違う気もするけれど、、、別の意味で、ものすごくコワイ。

今なら、心霊写真だってリングだって、いくらでも真正面から涼しい顔してみれそうな気がする。。。

 

パパは、病院から帰ってきてしばらくは、

「あ~、オレがそばについていながら、こんなことになるなんて、、、。

本当に胸が痛む。。」

とかなんとか言っていたけれど、夜になると、そそくさと明日の仕事の準備を手際よく終わらせ、、、。

「ちはる(私のこと)ちゃん。

ご迷惑おかけしますが、明日からそうちゃんのこと、たのみます。

よろしくね~。

じゃっ、おやすみ~い。」

と言って、いつもと全く変わりなく、、、

というか、昼間の病院での”レントゲン騒動”で疲れていたためか、いつもよりむしろ早く、バタンキュー。

スースーと平和で気持ちよさそうな寝息をたてて寝ている。

ほ~ほ~ なんて幸せなお方だろ~ね~っ!

でも明日から(平日は)パパ、帰りがいつも遅いし、、、

パパには、ホント、いっさい頼れないんだよね。。。

 

あの大きなクララ(そうちゃんのこと)を、とりあえず明日、少しでもスムーズに病院へ連れて行きたい。

そうちゃんなりに”学習”したことを密かに期待して、明日は、少なくとも、今日よりはマシであってほしい、、、。

私も、なにかいい作戦を考えなければ。。。

それを考えだすと、ますます目は冴えていくのだった。。。

次回へつづく

 

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ガラスの男~その2

前回ブログのつづき

                                      

夜が明け、朝がきても、そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)は、立つどころか、足を地面につけることさえできない。

足首は熱をもち、腫れがひどい。

普段は、朝から寝るまでしゃべり続けるそうちゃんだけれど、「痛い!」「痛い、、、。」と言う以外は、一言もしゃべらない。

パパと私が抱えてトイレに連れて行っても、どういう姿勢をとっても痛いためなのか、神経がはりつめているからなのか、昨日の夕方以降 、まったくオシッコがでない。

 

”とりあえずは、病院へ急ごう。”ということで、私たちは早朝、ホテルを出発。

高速をとばした。

その日は、日曜日だったのだけれど、ちょうど自宅近くの病院があいているらしい。

その病院へつくまで、結局、そうちゃんは、一言も発しなかった。

 

病院へ行くと、その日は、当直の先生が一人来ているのみ。

その先生が、患者さんをすべて診ているらしかった。

(外科・内科・・・来る人拒まず、という感じで、窓口に来た人は皆、その先生が診ていた。)

結論から言うと、その病院で、”左足首骨折”ということが判明したのだけれど、骨折だとわかるまで、約3時間半の時間を要した。

どうしてって、、、。

骨がどういう状態になっているかは、ご存知、レントゲンを撮れば、すぐにわかる。

ところが、その”レントゲンを撮る”ということが、どんだけ大変だったかっっっ!!

レントゲンを撮るに至るまでの道のりは、あまりに長かった。

”聞くも涙、語るも涙”といったところ。。。

 

そうちゃんは、痛いのと怖いのと、立つこともできないことで、すでに混乱状態。

”レントゲン、、、?

、、、って、なによ、それ??

今から、ボクに何をするの???

ちょ、ちょ、ちょっと~!

そんな銀ギラの宇宙服(防護服のこと)みたいの着て、みんな何してんの?

今から、いったい、なにがはじまるの??

きっと、痛いんだよね?!

ぎゃ~~~ 

いやだ~~~

絶対 いやだ~~~~!!!

断固 いやだ~~~~!!!”

(そうちゃんの心の内を母・ちはるが想像してみました。。)

という感じで、興奮してしまって、レントゲンの台の上にすら、まともに上がることができない。

イキのよい魚がまな板の上でピチピチはねている状態を想像してくださいませ。。

(もちろん、じっとしていないと、レントゲンは撮れません。)

 

看護師さんがレントゲンを撮ろうと試みるものの、そうちゃん大暴れで、これじゃあ、話にならない。

何度も仕切りなおして、試みたが、猛獣化したそうちゃんに、もやは手をつけられない。

こんなことじゃあ、一生、私たちは、レントゲン室からでられない。

さっきから、どんだけ時間がたっているだろう。

さっき、先生が、

”おそらく骨折していると思うけど、その骨折の状態しだいでは、手術が必要になることもある”って言っていたし、、 、。

だいたい、レントゲン一枚でこんなことじゃ、これから先、どうなってしまうんだろう???

”障害があるって、、、こんなに大変なことだったのか。。。”。

今さらながら、あらためて思った。

 

レントゲン室で、そうちゃんの荒れ狂う姿に唖然。

時間がたつにつれ呆然。

久しぶりに”絶望”というものに打ちひしがれていた私。

”ダメだ、、、。

これ以上、こりゃ どーにもならない。。。

そうちゃんを助けたい一心で、大急ぎでこの病院までたどりついたのに、こんなことじゃー、そうちゃんを助けられない。

私の力じゃ どーすることもできない。。。”。

                    

ところが、人生、うまくできている。

、、、と、そんな”地獄絵図”のようなレントゲン室に、救世主が現れた。

向こうの方から、患者さんを山ほどかかえ、大忙しのハズの先生が直々にレントゲン室に登場!!

優雅に鼻歌を歌っている。

そうちゃんをリラックスさせるように配慮しながら、

「は~い、おじちゃんで~~すっ!!

そうちゃ~ん。

おじちゃんと一緒に写真とるか~?!

”ハイ チーズ”だぞー!!

いいか~?!」

と言いながら、「あっちいって~!!」と暴言をはくそうちゃんを大きく包み込むように、”おじちゃん”は、ガハガハ笑っている。

 

、、、、と、そうちゃん、こういう”心の大きな人” ”おおらかな人”は、なぜかよーくわかる。

瞬時に”人間”をみぬく。

「しゃしん?」

と、ちょっと尻込みしながらそうちゃんが言うと、先生は、

「そーそーそーそー。

 ”ハイ チーズ”だっけよ~。

すーぐ終わる!!」。

さっきまで、看護師さんは、

”この台にのぼって、足をこの位置にちゃんとおいて、じっとしておいていただかないと、レントゲンはとれません。

無理です 。”

の一辺倒だったのに、その”おじちゃん”は、

「よっしゃー。

この画がとれればいいから、、、こんな風な感じで大丈夫。

この角度でオッケ~!!」

と言いながら、そうちゃんを抱え込むようにして、レントゲン台に足だけ上げて、、、。

奇跡的にレントゲンを撮ることができたのだった!!

あっぱれ!!

 

あの先生だから、撮れた。

あの先生でなければ、何時間あっても無理だったと思う。

そして、あの先生だったからこそ、最終的な応急処置である、”足のグルグル包帯巻き”(これまた大変な労力を要しましたが。。。)ま で行き着けたと思う。

最後に先生が、

「今日は、わたしね、本当は当直の予定じゃなかったんだけど、たまたま急遽、連絡もらってお願いされて、この病院に当直にきたと~。

でも、今日、そうちゃんのこと、わたしが診てあげられてよかったー。」。

 

人生の要所要所で、本当、いろんな人に出会い、助けられ、お世話になっている私たちであります。。。

次回へつづく

 

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ガラスの男~その1

今、うちで”ガラスの男”と呼ばれている人がいる。

そう、、、それは、そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)。

どうしてって、そうちゃんは、ここ半年の間に、なんと骨折を2度も経験。

クララ(車イス)生活を余儀なくされた。

(ケガをしたのは、昨年11月と、今年4月。

ちなみに、経過は順調で、現在は、完治に向かってまっしぐら。

ご安心ください。。。)

 

前回は、左足首骨折。

で、今回は、右足首骨折(正確には、骨にひび)。

今回は、前回に比べたら、ずっと軽い骨折だったし、さすがに二度目だったので、ある程度の予測がつき、それほどオロオロすることはな かった。

それに、今回は、そうちゃん、公園で遊んでいて足をひねってしまい骨折。

つまり、まったくの自損事故。

なんといっても、このことが、一番救われた。

ところが、前回は、、、、大変だった。。。

 

”秋”を満喫しに、久々、そうちゃんも一緒に、フルメンバーで久住へ行った私たちファミリー。

温泉にゆっくり入り、美味しい夕食を終え、ホテルの部屋で一家団欒、テレビを見て、、、。

平和なひと時を楽しんでいた私たち。

、、、と、ふと長女(6歳)が言った。

「ね~、つまんなーい。

これから何するの~?

お散歩にでも行こうよ~。」。

、、、と、この一言が、”そうちゃん骨折事件”の事の発端。

 

“お散歩かあ、、、。

いいね~、お散歩。

まだ夜も早いし、、、行こう、行こう!!

今日は、お天気もいいから、山の夜空は、満点の星でいっぱいだ!

さ~、みんなで星を見に行こう!!”

、、、ということで、一同、ジャケットをはおり、ホテルの外へ。。。

見上げれば、満天の星。

手をのばせば届きそう。

こーんなにたくさんの星を見たのは、久々だった。

 

そうちゃんとパパが手をつないで前を歩き、その後を、私と長女と次男(5歳)が手をつないで歩く。

「星はね~、まわりが暗いほど、よ~く見えるんだよ~。」

とパパ。

そのパパとそうちゃんについてズンズン前に歩いていくうちに、次第にホテルの光も遠くなり、あたりは真っ暗闇となった。

足元もよくみえないくらいに暗い。

「きれいだ~。」 「すごい~。」というパパにつられて、私たちは、ただひたすらに星を見上げながら歩いていた。

そのうちに、長女が、

「ね~、、、どこまで行くの~?

暗いからさあ、、、、もう、ホテルに帰ろうよ~。」。

、、、と、それからまもなく、悲劇は起きた。

 

前方を歩いていたそうちゃんの黒い影が一瞬、”シュワッ”と私の視界から消えた。

「うぎゃ~~~っ!!」という絶叫とともに。。。

ちゃんとパパと手をつないで歩いているそうちゃんに、何がおきたのか、最初はまったくわからなかったけれど、そろ~りそろ~り近づい てみると、、、。

なんと、そうちゃんの左足が、道の左端にある側溝にすっぽりはまっているではないかっ!!

後ろを振り向くと、暗くてよく見えなかったけれど、道路の左端には、ずーっと側溝があったようだった。

ただ、その側溝の上には、網がフタのようにかぶさっている。

ところが、そうちゃんが足をつっこんでしまったところから先は、網が突如、なくなっていたのだった。

た、、、大変なことになってしまった~!

ただのスリ傷ですめばいいけれど、そうちゃんの狼狽した痛がり方をみるにつけ、次第になんともいや~な予感。

こりゃー ただごとじゃなさそーだ。

 

痛がって歩くどころか、立つことさえできないそうちゃんをパパがおんぶしてホテルへ。

すぐに病院へ行くことも考えたけれど、そこは久住の山の中。

近くに病院があるはずもなく、、、。

とりあえず、今夜は、応急処置だけして、明日早朝、ホテルを出て自宅に向かい、休日でもみてもらえる病院へ急ごう、ということになっ たのだった。。。 

次回につづく

 

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オムツ卒業

「これからオムツ買わなくていいから、ママさー、お金持ちになれるね!!」

と言ったのは、次男(5歳)。

次男がとうとう”パンツマン”になったのだ。

夜寝る時用のオムツを買わなくなったくらいでお金持ちになるのは、ちょいと難しいけれど、”焼肉の日”ぐらいは増えるかな。。。

 

それまで夜は、いつもオムツをはいて寝ていた次男だったけれど、5歳の誕生日を迎える1ヶ月前に、ピタリとオムツにおもらししなくな った。

長女(6歳)の時も、次男の時も、

”そのうちに、オムツはいて寝なくても大丈夫になる日が必ずくるから、その時まで、ゆっくりオムツ はいといて~。”

ということで過ごしてきた。

その結果、長女は、4歳半で、次男は4歳11ヶ月で、晴れてオムツ卒業。

”そのうち”というのは、本当にある日突然、なんの前ぶれもなくやって来るものなのだ。。。

 

オムツの大御所・そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)は、気が遠くなるほどオムツ歴が長かった。

オムツのお世話にならなくてすむまでに、約11年。

そうちゃんの時は、あまりに長かったので、途中、”もしや、このまま一生、、、。”と思うと、まったく本当にありえそうな話なので、 それを思うと、ヒエ~~ッ。

呆然とする日もあった。

けれど、そんなそうちゃんにも、しっかり、”そのうち”という日が突然やってきた。

”オムツがはずれる”というのは、かなり体の機能(膀胱にちゃんとオシッコをためられる機能)の成熟度に左右されるものだと思う。

(この機能を育てるには、夜間、ぐっすり寝ることがとても大事らしい。

おもらしするからと、夜、起こしてトイレになんか連れて行ったりして、深い眠りをさまたげることが一番よくないらしい。)

だから、ただ”がんばる”だけじゃダメなのだ。

 

そうちゃんのオムツがはずれた時、私の頭にポッと浮かんだのは、”機が熟す”という言葉。

ちょっと前でもちょっと後でもない、”今、この時”が、ちょうど、そうちゃんのオムツがはずれるタイミングだったんだ、ということ。

この時にしか、ありえなかったんだということ。

きっと、それは、果物のよう。

同じ木になっていても、一つ一つ熟す頃合が、一つ一つの果実の事情によって異なるのだ。

そうちゃんから、”自然にその時が来るのを、ひたすらに待つことが一番大切”だと教わったので、長女と次男の時は、待つだけ 待つことにした。

オムツ卒業は、ちょっと遅めの5歳前になってしまったけれど。。。

 

でも、おかげで私は、”(お布団に)ノー・おもらし。 ノー・ストレス”。

「はっくん(次男のこと)のおかげで焼肉の日が一日ふ~えるっ!

ふ~えるっ! 

いえいっ!

みんな、ボクに感謝してね~。」。

、、、と言う次男もまた、ノー・ストレス。

お互いに、よきことです。。。

 

P.S.

今は、オムツが充実しています。

赤ちゃん用のオムツが小さくなったら、お次は、”オヤスミマン”。

”オヤスミマン”が小さくなったら、お次は、”エリエールのスーパービック”。

”スーパービック”が小さくなったら、”サルバ・Dパンツ”がやさしく手まねきしてくれます。

豊富なラインナップが勢ぞろい。

安心してオムツくんにおまかせしましょ~!!

(ちなみに、そうちゃんの最終学歴、、、ならぬ、最終オムツ歴は、”サルバ・DパンツのMサイズ”でした。。。)

 

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小話・スーパーボール

今朝、朝食を食べている次男(5歳)のそばを通り過ぎる時、目に留まったもの。

それは、、、スーパーボール。

(スーパーボール:赤や黄色、青や緑、、、いろんな色がある、ゴム製のボールのことです。 

ビヨーンビヨーンとよく跳ねる、あれです。)

 

で、そのスーパーボールがある場所が、問題です。

次男のオレンジのスーパーボールは、、、なんと、お茶碗のごはんの中心部に、きれいに埋め込まれているではありませんかっ!!

(一瞬、私、”日の丸弁当”かと思いました。。。)

「はっくん(次男のこと)、、、、。 

なっ、、、なにしてんの?」

と言うと、

次男「だってさー、白いごはんだけじゃ、さみしいでしょ。

こうやったら、きれいでしょ~?!

だから、ここに入れてんの!!」。

 

んぎゃっ!!

スーパーボールって、そんな使い方もできるボールなの、、、???   

あわててつまみあげたスーパーボールには、ごはん粒がいーっぱい。

 

やっぱり、思考回路が、、、おもしろい。。。

 

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ベルリンの壁

わが家にしか存在しない”ベルリンの壁”が、とうとう崩壊した。

、、、って、なんのことやら、さっぱりわからないと思いますが。。。

 

先日、次男が5歳になった。

長女(6歳)の時も、そうだったけれど、”そうちゃん(長男・14歳・知的障害アリ)との関係”がガラリと変わる時期がある。

それが、5歳になった時。

長い冷戦(犬猿の仲)を経て、そこからゆるやかな和のようなものが生まれ、そこに初めて友好関係が結ばれる。

まさに、ベルリンの壁(別名:5歳の壁)崩壊!!

 

うちのベルリンの壁は、ガラガラガラ~っと突然崩れるものではなく、壁が崩れる前には、予兆のようなものがある。

まず、そうちゃんが妹弟を呼ぶときのト~ンが、ぐっとやさしくなる時期がくる。

、、、と、お次は、呼び方そのものが変わる。

今までは、そうちゃん、強い口調で妹弟の名前を呼び捨てしていたのに、急に、「なっちゃ~ん!」「はっく~ん!」と、あだ名で呼び始 める。

すると、不思議と、まもなく、5歳の誕生日がやってくるのだ。。。

 

そうちゃんにしてみれば、妹と弟の誕生は、青天の霹靂。

存在そのものが、まさに、目の上のたんこぶ。

それまで、自分中心に地球がまわっていたと思っていたのに、突如、頼みもしないのに現れた妹と弟。

独占していたママをとられ、自分のおもちゃを勝手に使われ、生活のリズムを思いっきり崩され、、、、。

そんな妹弟は、”とんだことになってしまった”直接のきっかけとなってしまった人なのだ。

 

妹弟にとってもまた、そうちゃんって人は、あまりにナゾ多き人物。

そびえ立つように体は大きいのに、気がついたときには、小さい自分の方が、できることがはるかに多い。

日々のそうちゃんは、いってみれば”当り屋”のよう。

自分の機嫌が悪いと、何かにつけ、つっかかってきて、叩いたり大きな声をだして威嚇したりする。

理不尽な思いをして、何度泣かされたかしれない。

 

そんな犬猿の間柄だった三人衆(そうちゃん・長女・次男)。

いざこざが起きるたびに、私は言ってきた。

海のものとも山のものともわからぬこの三人衆に、理屈を一つ一つ説明したって、どーしようもないことははっきりわかっていたので、私 が言ってきたのは、ただ一言。

「はなれなさいっ!!」。

 

お互いが、半径2メートル以内にいるから、気にもなるし、ちょっかいも出したくなる。

だから、とにかく、危うい雰囲気になったら、

「はなれなさいっ!!」。

自分がはなれる努力をせず、そうちゃんにアタックされた時は、それは、

「その前に、はなれなかったあなたも悪い。」

ということにして きた。

そうやってでしか”か細い平和”も保てなかったのに、次男が5歳になったとたん、なんだかものすごく状況が変わった。

 

そうちゃんが、まったりした声ではばからず、「てつだってください。」と、歩いている者は、妹でも弟でも使うようになった。

そうちゃんの妹や弟を見る目は、トロンとしていて、ことあるごとに、

「なっちゃん、かわいいね~っ!!」

「はっくん、かわいいね~っ!!」。

そのあまりの変貌ぶりに、今までは何だったのかと、こちらが目をぱちくりしてしまう程。

 

私は、はじめ、そうちゃんが変わったんだとばかり思っていた。

けれど、実は、最初にかわったのは、妹、そして弟だったのだと、最近あらためて気づく。

妹や弟が、そうちゃんのことを気遣えるようになってきた。

「そうちゃんは、いま、どうしたいんだろう。」

「そうちゃんは、いま、なにを思っているんだろう。」

そういう風に、言葉でうまく伝えることのできないないそうちゃんの気持ちを想像できるようになってきたんだと思う。

そうして、自分のことだけでなく、そうちゃんのことをとても大事にする、”余裕”みたいなものが、妹と弟にはでてきた。

するとびっくり!!

そうちゃんも、手のひらを返したように、妹や弟に心をゆるしはじめた。

そんな三人衆をそばでみていると、とても今までと同じ人たちとは思えないような、まか不思議~な感じ。

そうちゃんと妹・弟は、まさに鏡に互いを映しているよう。

自分の抱いている気持ちがストレートに相手に反映されている。

 

人の気持ちを変えるには、この””相手を受け入れる余裕”こそ、いちばん大切なんだなあ、、、と、しみじみ感じている今日この頃です。 。。

 

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ピカピカの一年生 ~その2・完

前回ブログのつづき

 

漠然とした不安からはじまった長女(6歳)だったけれど、彼女なりに、今度は具体的にいろいろ考え始めた。

やはり、”一人でバスに乗ること”は、長女にとっては、相当に恐ろしいこと、らしい。

はじめてのランドセル。

ピカピカの一年生ではあるけれど、鏡の前でランドセル姿にうっとりして、ルンルンしてばかりもしてられない。

実際は、そのピカピカのランドセルがくせものなのだ。

教科書や水筒を入れたランドセルは、鉛のようにずっしりと重く、小さな体には負担が大きい。

ひっくり返ってしまいそうだ。

さらに、サブバックにも、やれ上靴だ、エプロンだ、折りたたみ傘だ、、、と、たくさんの荷物を持っていかないといけない。

雨が降れば、傘もささなきゃいけない。

ただまっすぐ歩くだけでも大変なのに、その上、混雑したバスに乗り込み、途中で一度乗りかえもある。

乗ってはいけないバスと乗っていいバスを見分けることも、ちゃんと自分で判断しなければいけない。

その状況が次第に明らかになっていくにしたがい、長女も、”これは、ただごとならぬことになってしまった!!”と思ったのか、笑顔が消え、顔がこわばっていった。

 

長女がいちばん怖がっていたのは、”もし、バスの番号を間違ったり、バスの中で寝てしまったりして、ぜんぜん知らないところへ行ってしまったら、どーしよう!!!”ということだった。

知らないところに行ってしまったら最後、自分がどこにいるのかがわからないので(バス停の名前も読めないので)、そのことが、とっても不安らしかった。

バスをのりまちがえて、どこかにいってしまった時は、

”公衆電話をみつけて、ママの携帯に電話してね。 

そしたら、ママ、どこからでもすっとんで行って、なっちゃんを迎えに行くからね!!”

、、、ということにはなっていた。

(携帯電話をもつことは、学校で禁止されているため)

ところが、最近は、コンビニくらいにしか公衆電話はない。

長女は、

「何いってんの、、、ママ。

そんな知らない場所で、、、私、コンビニなんて、、、みつけられるわけないじゃな~い!!」。

 

、、、もっともだ。。。

まあ、仮に、コンビニが近くにあったとしてでさえ、なかなか公衆電話は小さな子供にとっては、実は使いづらいのだ。

娘とは、何度か、テレフォンカードで電話をかける練習をした。

ところが、重たい荷物を抱えたまま、まずはランドセルからテレフォンカードをとりだすのも時間がかかる。

公衆電話のガラスケースの扉は、結構高い位置にあるので、手をのばして開けるのもやっと。

小学1年生が使うにしては、公衆電話自体もまた高い位置にあるので、ボタンを押すのも結構難しく、本当に使いづらい。

そんなこんなで長女の不安は、さらにモクモクとふくらんでいった。

今度は具体的に。。。

 

だから、私は言った。

「なっちゃんが”もう、一人で行ける。 大丈夫!”って思えるその時まで、朝はパパが途中まで一緒に、帰りは、ママかばーば(を派遣して)が途中までお迎えに、いつまででも行ってあげるからね。」。

それを聞いて、長女は、ちょっと安心したものの、まだいぜんとして、眉毛は、”へ”の字に曲がっていた。

ところが、最後の最後に私が言った言葉で、長女は、面白いようにストンと落ち着いた。

「なっちゃん。

バスにのりまちがえたり、困ったことがあったらさあ、、、。

もうさー、その時は、しょーがないっ!!

”この人!!”っていう人をみつけて、”たすけてください!!” ”私、すっかり迷ってしまったので、おしえてください!!”って言ってごらん。

なっちゃんみたいに、小さくてかわいいピカピカの1年生に”たすけてください!!”って言われたらね、だれだって助けてくれるから。

電話だって、かけられなくったって、もういいよ。

自分でやってみて、ママにつながらなかったら、コンビニのお店のお兄さんとかお姉さんに、”電話がかけられないので、ママにかけてください。”って言って、いつもなっちゃんがもってるメモ(住所や電話番号が書いてある)、渡して、お願いしてごらん。

そしたら、絶対に助けてくれるから。

みんなね、やさしい人がたっくさんいるから、なっちゃんは、もうなんにも心配しなくていい。

困った時は、誰かが必ずなっちゃんのこと、助けてくれるから。」。

 

今の時代、私たちが小さい頃とはちがって、危ない時代になってしまったと、いつまでも子供の送り迎えをしたり、子供の行動を親がコントロールしようとするけれど。。。

人を疑うことは確かに大切だけれど、疑いだしたらキリがない。

誰でも信用してはいけないということを教えることも大切だけど、なんでもを不信に思いだしたら、これまたキリがない。

やっぱり、”人間を信じること”をベースにしてしか、前には進めないものなのだ。

昔も今も、それはきっと変わっていないと思う。

そうでなければ、長女も前に進めないし、私もまた、長女を私の手元から、ちょっとだって離せない。

 

今、あれこれ悩みながらも、自分の足で一歩一歩前に前にすすんで、ちょっとづつ日々成長していく長女が、なんだかまぶしくって仕方がない。

まさに、ピッカピカの一年生!!

 

P.S.

長女が出かけるとき、私は言います。

「なっちゃん。

これから一人でアメリカ行くわけじゃないんだから、大丈夫、大丈夫。

バスに乗り間違ったって、外国には、行けないから。

そうちゃん(長男・13歳・知的障害アリ)とちがって、なっちゃんは、ちゃーんとお話できるでしょ。

だから、わかんなくなった時は、だれかに聞けばいいんだから。」。

 

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ピカピカの一年生 ~その1

長女(6歳)が、この春、小学校に入学した。

3月までは、保育園だったので、行きも帰りも送迎していたのに、小学校に入学したとたんはじまった、一人での通学。

おまけに、長女は、バス通学(乗りかえあり)。

 

保育園卒園間近の頃は、”これから大丈夫なのかなあ~???”と、漠然とは心配していた。

けれど、長女は、いたって落ち着いている。

私が、

「なっちゃん(長女のこと)さあ、これから、バスに乗って学校行かなきゃいけないけど、大丈夫?」

と聞くと、長女は、

「そりゃ ー 大丈夫でしょ~。

ママさー、紙かなんかに行き方を書いて、ランドセルにでも入れとってー。」。

 

う~ん、さすが!!

なかなか頼もしい!!

あっぱれ娘!!

だから、それ以降、私は、ギリギリまで、何の根拠もなく、安心しきっていた。

ところがっ!!

春休みもあと数日で終わるという頃になって、急に、長女が不安がりはじめたのだった。。。

 

そう、春休みもあと数日で終わる頃、”これから、たった一人で登校するにあたって、長女に何か注意しとくことは、なかったっけ、、、 ??”と、私は考えた。

そーねー。。。

余裕シャクシャクの長女にわざわざ水をさすことはないが、、、。

むやみに怖がらせてもいけないけれど、一応、言っておこう。

参考までに。

マニュアル通りに(?)。。。

「ね~、なっちゃん。

あのね、世の中にはね、ごくたまーにだけど、悪い人・恐ろしい人がいるの。

だからね、一つ、約束してほしいんだけど、知らない人から”ついておいで!”って言われても、その人について行ったりしちゃダメだよ。

”なんでも好きなもの買ってあげるから、ちょっとおいで~。”って言われても、絶対ついていったらダメだからね。」。

                                 

、、、と、長女は、私がこういうことを言った次の日あたりから、”一人で学校に行くのはいやだ。”とか、”一人でバスにのってなんか 、行けないと思う。”とか、グズグズ言い出したのだった。

私が、

「悪い人がいるって、ママが言ったから、、、なっちゃん、怖くなっちゃったの?」

と聞くと、長女は”そーじゃなくって!”とブ ンブン首をふる。

「じゃー、どーしたの?」

と私が聞くと、長女は、きっぱりと私の目をまっすぐに見て言った。

「ね~ママ、あのさあ、、、。

私、自信がないとー。

だれにもついて行かない、っていう自信が!!

だってね、”おいで~。”って言われたら、私、ついて行きそうな気がするんだもん。」。

そして付け加えた。

「それにね、、、。

”なんでも好きなもの買ってくれる”って言われたらよ~。

なんでもよー!!(ここをことさらに強調し、声を大にする長女。)

そーんなこと言われたら、私、ついていかないっていう自信がないんだもん!!」

と言って、床に寝そべり、足をバタバタして、顔を突っ 伏し、涙まで流してマジで悩んでいる。

そっ、、、そこなのか、、、。

長女が心配しているところは、そこだったのか、、、!!

ガクッ。

ちょっと拍子抜けしてしまったけれど、、、。

 

その後、長女は、

「それに、どんな人が恐ろしくて、どんな人が悪い人なのかとか、私、ぜんぜんわからんもん。」。

私もそれには、とっさに、

「そりゃそーだ!!。」。

そして、

「そーだよね! 

そんなことは、これからちょっとづつ自分で見抜いていくことだもんね。

今のなっちゃんに、わかるハズがない。

厳密にいえば、ママだって、いまだにわかんないから、ま~大丈夫でしょ~。」。

具体的な根拠のないことにこれ以上心を乱されるのはバカバカしいので、とりあえずここは、そういう風にながしておいた。

 

それにしても。。。

信じてはいけない人がこの世にはいる。”ということを子供に教えることは、実は、ことの他、難しい。

人間を信頼しきって生きている、純真な気持ちをもっている人(長女)に向かって、”こんなこと言って、この人の気持ちを裏切っていい のだろうか、、、。”という、心苦しいような気持ちさえなってしまった。

そのくらいの気持ちになるほど、子供の心は、まっさらなのだと、あらためて思う。。。

次回につづく

 

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