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2008年3月

そうちゃん 11歳・冬(12・完)

前回ブログのつづき

                                                                                                                        

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左から、そうちゃん、長女(4歳)、次男(2歳)の靴。

そうちゃんの靴のサイズは、なんと28cm!!

これだけ見たら、いかにも”頼れるお兄ちゃん”のようだけれど、手先の器用さとか言葉の理解とかおしゃべりの上手さ順に並べると、、、。

                                                                                                                   

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こうなる。

たったついこの間生まれた次男にも、あっという間に越されてしまった、そうちゃん。

                                                                                                                     

でも、これは、あくまでも”表面上からみたら”の私がつけた順番。

確かにおしゃべりができないから何もわからないように見えるし、手先が不器用だから何もできないように見える。

                                                                                                                        

でも、それは、きっとちがうんだと思う。

ただ表に出せないだけで、そうちゃんは、見ためで感じるより、実は、いろんな事をもっともっとわかっている気がしてならない。

                                                                                                                     

私の知人は、学生の頃、交通事故にあい、意識不明の重体になり、生死をさまよったことがあったそうだ。

                                                                                                                     

初めて自分が病院のベッドで目覚めた時、一瞬、ここがどこかもわからなかったらしいが、それは一瞬で、それ以降は、自分でも驚くほど頭の中はクリアーだったらしい。

けれど、しばらくの間、自分の思っていることを言葉にすることができなかった時期があったらしい。

(言葉がでてこなかったらしい。)

                                                                                                                           

その時、だれもが自分のことを”わからない人”として接したのに、唯一、毎日毎日病院で付き添ってくれたお母様だけは、モゴモゴと、ただ口を動かすだけの自分に寄り添い、ずっと聞いてくれて、ずっとしゃべりかけてくれたそうだ。

                                                                                                                      

そして、実際、一生懸命に”わかろう わかろう”とするお母様だけは、ただ一人、今思っている自分の気持ちを、不思議なほどよくわかってくれたそうだ。

                                                                                                                      

自分の頭ははっきりしているのに、言葉にのせて伝えることができない悔しさ、もどかしさは、想像を絶するものだったらしい。

そんな中、お母様の存在には、本当に心救われる思いだったという。

                                                                                                                        

その話を聞いたとき、

”そうちゃんも、きっと、同じ思いをしているにちがいない。

伝わらずに悔しいこと、悲しいことがいっぱいあるだろうなあ。”と確信した。

                                                                                                            

これからも、そうちゃんと長いつきあいになるけれど、”そうちゃんのことをもっともっと知りたいし、わかりたいなあ、、、。”と思う。

                                                                                                                           

本当のこと、大切なことは、目にはみえない。

だからこそ、そうちゃんのそばで、耳をすましながら、いっしょの空気を感じながら、目にはみえないけれど、大切なことをいっしょに見つけていけたらなあ、、、と思う。

                                                                                                                     

桜の花が咲く頃、そうちゃん、12歳になります。。。

                                                                                                                      

おしまい

                                                                                                                   

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かっ、、、感激ですっ!!

ありがとうございました。

                                                                                                                      

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そうちゃん 11歳・冬(11)

前回ブログのつづき

                                                              

「ねーねー、そうちゃん。」。。。

もし、そうちゃんが長女(4歳)くらいに言葉を理解することができたなら、あの時、伝えたいことがいっぱいあった。

                                                             

”Iさんね、そうちゃんのこと、大好きだったんだって。

そうちゃんに会うことが楽しみで、いっしょに歩いていると癒されて、気持ちがホッとしたって。

                                                             

あのね、ヘルパーさんのお仕事を辞めて、新しくまた何かを始めたいなあ、、、ってことは、今思いついたことじゃなくって、ずっと前から考えていたことなんだって。”

                                                            

”Iさんね、ヘルパーさんのお仕事辞めて、今度は、施設で働くことに決めたんだって。

そうちゃんみたいに(知的)障害をもった人のお世話をするお仕事だよ。

その施設にお泊りして、みんなのお世話をするんだって。”。

                                                             

そして、ずっとずっと大切にしていきたいIさんの言葉がある。

「ボクですね、そうちゃんのおかげでわかったんです。

そうちゃんに出会えたおかげで、”やっぱりボク、この仕事、自分にむいてるなあ。”っていうことがわかったんです。」。

そして、

「施設の仕事、これから一生懸命がんばります。

ボクがそうちゃんより先に(施設に)行って、しっかり勉強しときますから!!」。

                                                            

将来、そうちゃんが家を出て、どこかでだれかのお世話になるときが必ずくる。

その時、Iさんのような方にお世話になれるとしたら、、、。

そう考えただけで、私の心は、フッと軽くなって、あたたかい陽だまりにいるような気持ちになる。

                                                             

”人を支えてくれるのは、やっぱり人なんだなあ、、、。”と、つくづく思う。。。

                                                          

次回へつづく

                                                           

P。S。

本当に偶然なのですが、先日、Iさんから連絡がありました。

「そうちゃん元気ですか?

そうちゃん、どうしてるかなあー、と思って。」、と。

施設の仕事もようやく慣れたそうで、今度、仕事がお休みの時に遊びにきてくださるそうです。

もちろん、そうちゃんにはまだ知らせていませんが、、、。

たまたまブログに書いていた時なので、、、本当に不思議です。

そして、楽しみです!!

                                                           

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そうちゃん 11歳・冬(10)

前回ブログのつづき

 

そうちゃんは、そんなIさんのおかげで、グンと成長した。

そういえば、”そうちゃんが初めて落ちついて注射を打てた日”も、私ではなく、Iさんに病院に連れて行ってもらった時だったなあ。

 

その日、病院にでかける前、事前に、Iさんには、”注射を打つ時のそうちゃんのいつも”を伝えていた。

(そう、それはまさにドタバタ劇。。。

”いやだ~っ” いやだ~っ!”と、そうちゃん、手足をバタバタしながら大騒ぎ。

最後は、結局、看護婦さんに”捕獲”されるような状態になり、、、。

そこに、先生が覆いかぶさるような形で、“ブチューっ”。

スタッフみんな、髪ふり乱れる中、注射、ようやく終了、、、というもの。)

だから、Iさんも、覚悟していたらしい。

 

ところが、その日、そうちゃんは、ちゃーんと静かに待合室で待ち、、、。

そして、名前を呼ばれると、Iさんと一緒に素直に診察室へ。

イスに座ると、”チュッ”と、何事もなく注射を終えたらしい。

 

Iさんが家に帰って、その時の様子を私に報告してくれた時、

「いや~、もう、うれしかったですよ~!

そうちゃん、すごいですよ~!!

やりましたよ~!!」

「ホント、うれしかったですよ~!!」、、、と、目を爛々と輝かせて、心から喜んでくれた。

 

そんな感じで、Iさんは、”ただ、そうちゃんのお世話をする”ということにはとどまらず、”そうちゃんが○○できるようになったらいいなあ。”という私の夢(目標)をゆっくりゆっくり、ひとつづつ叶えてくれたのだった。

それは、ゆるぎない、そうちゃんとIさんの間にある信頼関係がもたらしたものだったと思う。。

 

そうちゃんがIさんと出会って2年ちょっとが過ぎた、、、。

そして、昨年の夏の初め、思いがけず、もう、Iさんとお別れしなければならないことを知らされた。

Iさんは、ヘルパーさんの仕事を辞めることになったのだった。。。

 

このままずっとずっと、そうちゃんのことを一緒に見守ってもらおうと、見守ってもらえると思っていたので、私自身、初めてその話を聞いたときは、カクン、、、と、力が抜けてしまう思いだった。

 

そして、私の頭にすぐに浮かんだのは、そうちゃんの顔。

そうちゃんがIさんと会ったときにみせる、あの屈託のない笑顔だった。

 

”別れ”というものを理解できない(”どうしてもう会えなくなってしまうのか”、”どうしてIさんがもう家にこないのか”、、、というところの理由を理解できない)そうちゃんを思うと、胸がしめつけられる思いだった。

 

私の育児を助けてくれるヘルパーさんは、探せば、じきにみつかるに違いない。
けれど、そうちゃんが、時に友人のように、時にお兄ちゃんのように、心から気をゆるせる、心から好きだと思える人間は、残念ながら、そうはいない。

 

できることなら、”どうしてヘルパーさんを辞めることになったのか”ということを、私がIさんから聞いた言葉そのまま、そうちゃんに、じっくり説明してあげたいのだけれど、言葉のわからないそうちゃんには、わからない言葉をならべることは、かえって混乱させてしまうだけ、、、。

もとよりその言葉の意味が伝わらないので、、、伝えようがない。

 

だから、私は、そうちゃんには、

「ねー、そうちゃん、、、。

そうちゃんね、もう、○○さんとは、バイバイなんだよ。

もう、サヨナラなんだよ。」。

たったこれだけ伝えただけだった。

 

よく動物園に連れて行ってもらい、そうちゃんの好きな”おサルの電車”に何回も一緒に乗ったことも、

いつも食パンを持って公園へ行き、ハトにえさやりをしたことも、

毎月、歯医者さんにバスに乗って連れて行ってもらったことも、

バス停のベンチに二人仲良く座り、大好きなバスをずーーっとみた事も、

二人で歌をハミングしてゲラゲラ笑いこけたことも、

いつも肩を組んでテクテク歩いたことも、、、、。

 

みんな、みんな、たったそれだけの言葉で、終止符がうたれてしまうのだ。

たったそれだけの言葉で、そうちゃんが大切にしていたものを突然、おしまいにさせられてしまうのだ。

 

なんて悲しいことだろう。

なんて切ないこどだろう。

そして、なんて残酷な事だろう。。。

 

次回につづく

 

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そうちゃん 11歳・冬(9)

前回ブログのつづき

                                                          

そんなそうちゃんとIさんが出かけていく姿を、私は、窓越しから二人が小さくなるまでずっとみながら、胸がドキドキした。

、、、うれしかった。

なんだか本当にうれしかった。

                                                          

Iさんの存在は、とても大きかった。

私の育児の中のひとつを肩代わりしてくださり、助けてくれださることは”ただただ感謝に尽きる”、、、ということは言うまでもないけれど、ただそれだけではなかった。

そうちゃんにとっては、心底信頼できる友人、べったり甘えられるお兄ちゃんと思いがけず出会えた感じだったのだ。

                                                             

親だからできることと、親だから(親では)できないことがあるんだということを、二人をみていて、私は、あらめて気づく。

親の役どころとヘルパーさんの役どころは、まったく違うものなんだなあ、、、。

                                                             

そうちゃんにとっては、それぞれに欠かすことのできない大切な関係で、その間でそうちゃんなりにバランスをとっていくことが勉強のひとつ。

そして、そのことは、これから先、だれかのお世話になっていくそうちゃんの生活の中で、ものすごく役に立つに違いない。

                                                              

現に、私とだったら甘えて自己主張をするあまり、外出先でスムーズにいかなかったりすることもある中、ヘルパーさんとだと、「ええ、そうちゃん、ぜんぜん大丈夫でしたよ~。」。

、、、と、このひと言であっさり終わってしまうことも多いのだ。

そうちゃんなりに、そこは、私とは違い、”遠慮”というものが存在している模様。。

                                                             

ただ、もちろん、ヘルパーさんとでも、ダメな時はダメ。

歯医者さんに連れて行ってもらったものの、

”受付まではシャンとして待っていられたのに、そうちゃんの名前が呼ばれた途端、腰抜けになってしまい、不安のあまり床に座りこんでしまって、治療台に座れませんでした。

だから、今日は先生に待合室に来てもらって、歯のブラッシングをしてもらいました。”

”帰りのバス停で、「あと一台!」 「あと一台!」と言って、ずっとバスをみたがりねばるので、今日は家に帰ってくるのがスムーズにいきませんでした。”

、、、などなど、その都度、問題はでてきて、”今後の課題”は事欠かない。

                                                        

けれど、ここからが、Iさんの違うところ。

Iさんは、常に、

”どうして、そうちゃんがそういう行動をとるのか。”

”そういう時は、自分はどう対応するのがベストなのか。”を、ものすごく、ものすごーく真剣に考えてくれた。

                                                        

私だって、そうちゃんは依然として、”ナゾ多き男”。

わからないところは多い。

どういう対応をするのがベストかは、私も試行錯誤の連続。

                                                              

けれど、そんなこんなをIさんと一緒に、

”こうでもない、、、。”

”ああでもない、、、。” 

”今度は、こういう風にしてみましょうか、、、。” と、共に考えながら、前に進んでいけたことがどれだけ私の気持ちを楽にしてもらい、支えになってくれたかしれない。

                                                            

そして、Iさんは、決して”お決まりのものさし”でそうちゃんを計ることはなかった。

いつも、”そうちゃん専用ものさし”をもっていた。

だから、Iさん自身の感情のぶれがない。

                                                              

雨の日も、風の日も、雪の日も、夏の灼熱の太陽がサンサンと照って汗がふきだすほど暑い日も、いつもいつも、そうちゃんにつきあってくれた。

                                                             

だいたい、ヘルパーさんに何かをお手伝いしてもらう場合は、前もっての予約が必要。

だから、突発的に、”今日、お願いしたい!!”と思うことがあっても、なかなか利用できない、、、というのが現状。

                                                              

けれど、私がインフルエンザで寝こんでしまった時など、ダメもとでIさんに電話すると、

「、、、それは大変ですね。 

私が何とか、、、しましょう。 

だから、お母さんは、ゆっくり休んでください。」と言って、ここぞという時に助けてくださったのは、いつもIさんだった。

                                                              

おかげで、その時も、そうちゃんは、いつもと変わりなく、大好きな学校に通うことができたのだった。

                                                            

そして、Iさんは、いつも言った。

「ボク、そうちゃんに会うの、本当、いつも楽しみにしてるんです。

そうちゃんは、ボクの癒しですよ~。」。

「そうちゃんといると、勉強になります!!」。

                                                          

19歳の時、私はいったい何をしていただろうか、、、。

こんな風に、だれかのために心を尽くしたことがあっただろうか、、、。

                                                           

そう思うと、”私は、、、今から、ここからガンバロー!”という気持ちがこみあげてきて、背筋がピンとのびる気がした。

そして、Iさんに出会えてよかったなあ、、、という気持ちでいっぱいになった。。。

                                                         

次回へつづく

                                                  

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”そうちゃん 11歳・冬~”シリーズも、もうあとちょっとです。

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そうちゃん 11歳・冬(8)

前回ブログのつづき

 

今、そうちゃんが育っていく中で(私が育てていく中で)、とてもありがたい制度がある。

それは、ちょうど長女(4歳)が生まれるあたりからはじまった制度なのだけれど、”そうちゃんの生活をヘルパーさんが支えてくれる”、、、というもの。

(障害の程度に応じて、利用時間の制限はある。

費用は、いくらかの負担はあるけれど、その大部分を国と市が負担してくれる。)

 

その制度がはじまったおかげで、私の育児もどれだけ助けられているかしれない。

長女の時も次男(2歳)の時も、生まれてしばらくの間は、その制度をつかって、ヘルパーさんに”そうちゃんのスクールバスの送り迎え”をお願いした。

その他にも、私の代わりにそうちゃんを病院に連れて行っていただいたり、私が用事があって出かける時、ヘルパーさんに家に来てもらい、そうちゃんとお留守番をしていただいたり、、、。

 

どこへ行っても”静かに待つ”ということができない、そうちゃん。

そして、そうちゃんが外出するときは、小さな子供を連れて外出するのと同じなので、常に私が横についてマンツーマンでみていなければならない。

 

そうちゃんには危険を感じる力がないので、私が手をつないで、ビューンと横を走る車から身を守ったりする”ボディーガード役”。

そして、なぜか、私が行きたい方向とは違う方向に行きたがるそうちゃんを、なんとか途中、説得しながら目的地に誘導する”ナビゲーター役”。

 

(そうちゃんは、たいてい、バス見たさ<バスをこよなく愛しております、、、。>につられてバス停に立ち止まりたがるのが常。

そんな、そうちゃんを、そうちゃんの気持ちを察しながら、

”あと三台、バス見たら行こうね~っ!” 

”、、、あと1台だよ! 最後よ! 最後だからね!!”と、こちらも譲歩しつつ、そうちゃんと駆け引きしたりする。

この交渉は、時に難航する事多し、、、。)

 

、、、とにかく、いろんな”役”をこなさないことには、一歩も前には進めない。

今となっては、それも、そうちゃんと一緒の時は、”お決まりの日常”ではあるのだけれど、いくら日常とはいっても、毎回毎回、なかなか私の思うようにはスムーズにすすんでくれないそうちゃんを連れてどこかへ行く事は、、、非常に疲れる。

なかなかタイヘンなのだ、、、私も。

 

まあ、それでも、そうちゃんだけだったら、そうちゃんのペースに合わせながら、なんとかかんとかいくものだけれど、それがひとたび、赤ちゃんも一緒につれてとなると、一転、とたんに身動きがとれなくなってしまう。

 

だから、長女と次男の検診や病院へ連れていかなければならない時など、そうちゃんをつれてなんて、とてもとても行かれない。

そんな時、助けていただいたのが、ヘルパーさん。

 

長女が生まれてからだから、、、、そうちゃんとヘルパーさんとの付き合いは、かれこれ4年半になる。

今までたくさんのヘルパーさんにお世話になった。

(もちろん、今も、お世話になってます!)

 

その中でも、そうちゃんがひときわ好きだったのがIさん。

そうちゃんと同じく、私にとっても、Iさんはいつまでも心に残るヘルパーさん。

次男が生まれるちょっと前に、Iさんはヘルパーさんとして家に来てくれた。

 

その頃、覚悟はしていたものの、私も子供三人になり、テンヤワンヤ。

両手、、、どころか、時に両足をも使いながら、なんとか三人衆(そうちゃん・長女・次男)と日夜戦っていたけれど、ま~、まるで家は、”三匹のサル”がキーキーしているような状態。

まるでコントロール不能!!

そんな、一番私がキツイ時期に、Iさんは来てくれた。。

 

最初に会ったとき、Iさん、歳は19歳くらい。

それまでお世話になったヘルパーさんは、みんな女性だった。

年齢もちょうど”お母さん”くらいから”おばあちゃん”くらいまでと、平均年齢は高かった。

だから、Iさんに初めて会った時は、ヘルパーさんというよりは、”お兄さん!!”という印象だった。

 

中には、そうちゃんがいつまでたっても慣れない(気をゆるさない)ヘルパーさんもいた中、さすがに”人間”をみる力はピカイチのそうちゃん、Iさんには、あっという間に慣れて、も~大好きになった。

 

どこかへ連れていってもらう時など、Iさんが”ピンポーン”を押して玄関に現れた時は、いつも満面の笑み。

「○○さ~~~ん!!」

「○○さ~~~ん!!」と名前を叫び(絶叫)ながら、ピョンコピョンコ飛び上がる。

サササッと靴をはき、、、そのうれしそうで軽やかな歩き方といったら!!

ひょこひょこひょこひょこ体を左右にゆらしながら喜びを全身で表し、近所中、響き渡るほどの大きな声で歌いながらのお出かけとなった。。。

 

次回につづく

 

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そうちゃん 11歳・冬(7)

前回ブログのつづき

                                             

雨が降ろうと槍が降ろうと、はたまた、熱があろうと、気分が悪く吐いてしまった時でさえ、そうちゃんは学校に行きたがる。

そのくらい、学校が好き。

 

ほんの少し前まで、そうちゃんのように障害が重い子供は、学校に行くことができなかった時代があった。

それを思うと、なんて幸せなことだろうと思う。

重い障害があってでさえ、人は、集団の中で伸びていくものだとつくづく思う。

 

そして、そうちゃんは、人が好き。

学校のお友達も先生も、みんな大好き。

、、、といっても、手先も不器用だし、会話になるほどはおしゃべりできないので、みんなといても、集中して一緒に何かをして遊ぶ、、、ということはできない。

ただただ、人のそばにいること、人の輪に加わっていること(特に集団)がたまらなく好きなのだ。

 

けれど、もちろん、自分から「あーそーぼー。」と言って、約束をとりつけることはできないので、放課後、誰かお友達の家に遊びに行くことはできない。

 

私がそうちゃんくらいの時は、日が暮れるまで友達と、よくぞというほど遊んだもんだ。

時には、友達が家に泊まりにきてくれたっけ。

私には、思い出しただけでも懐かしく、そして楽しかった思い出があるだけに、そうちゃんをみていると、そういう思いをさせてあげられないことが時おり寂しく思ってしまう。

 

、、、だからといって、私がそうちゃんのために、そうちゃんの好きなお友達と遊ばせる機会をもうけようと思っても、実は難しい。

なぜって、学校のお友達もまた、そうちゃん同様に、そうちゃんとはまた別の”困難”を抱えている。

 

それゆえに、みんな、それぞれに、”個性”が満ち満ちている子供たちばかり。

自閉症のお友達がいたり、情緒が安定しないお友達がいたりするけれど、ほとんどのお友達が、やはり”変化”に弱い。

そうちゃん同様、”お友達の家に行く”なんてことは、いつもとはちがう”変化”ととらえるため、なかなか私の思惑通り、スムーズにはいかない。

だから、結局は、放課後、互いが(お友達同士が)一緒の空間で楽しく時間をすごせたらなあ、、、という発想をすること自体が、とても難しい事なのだ。。

 

もう3月。

もうすぐ、1年間お世話になった学校の先生ともお別れの季節がやってくる。

4月になったら、担任をはずれて、違う学年の担任になる先生もいらっしゃるだろうし、他の学校へ移る先生もいるだろう。

 

私たちにとっては、”寂しいけれど、3月は別れの季節”。

そういうことになっている。

けれど、そうちゃんは、それを理解できない。

 

そうちゃんにしてみれば、学校にはこの間まで自分といつもいっしょだった先生がいるのに、突然、ある日を境に、クラスで一緒にすごせなくなってしまう。

そうちゃんの中では、それはかなりの混乱があるようで、なかなかその現実を受け入れられない。

だから、悶々とした思いがしばらくつづくこととなる。

 

先生が他の学校に移ってしまった時には、きっとそうちゃんにとっては、”衝撃!!”以外の何者でもないと思う。

そうちゃんの前から、先生がスーーッと消えてしまうのだ。

 

まだまだずっと続くと思って楽しくお芝居をみているのに、突然に、思いがけず”サーーっ”と、黒い幕がおりてきて、”はいっ、終~わり!!”、、、という感覚だと思う。

 

そして、悲しいことに、どんなにもう一度会いたいと思っても、もう一度お話したいと思っても、自分からその気持ちを伝えることはできないし、その思いが叶うこともない。

 

もし、そうちゃんが、大好きな人たちをすぐに忘れてしまうのならばいいのだけれど、そうちゃんだって、好きな人のことを忘れてしまうわけではないのだ。

むしろ、出会った人の数は少ないけれど、自分が楽しくともにすごした人たちとのことは、私なんかよりもずっとずっと大切に、胸の奥にしまっている。

 

そうちゃん、”ひらがなカード”が大好きなのだけれど、なかなか”ひらがな”を覚えられない。

けれど、先生やお友達の名前にある”ひらがな”は、フシギと覚えている。

 

そして、”く””は””た”のひらがなカードを持ってきては、「ママ~~。」。

今でも懐かしそうにうれしそうにニコニコ笑いながら、

「く○○先生!!」

「は○○先生!!」

「た○○○!!」。

と、小学校1年生の時に担任だった、今はもう、学校にはいらっしゃらない先生の名前や、途中、転校してしまったお友達の名前を私に確認するように大きな声で言う。

 

その姿をみると、”そうちゃんは、自分の前から去ってしまった人との思い出を、たった一枚の「ひらがなカード」にそっと封じこめているんだなあ、、、。”と、なんだか胸が痛くなる。。。

 

次回につづく

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そうちゃん 11歳・冬(6)

前回ブログのつづき

                                           

お友達とお母さんたちがいなくなってしまったら、急にガランとしてしまったバス停。

そして、さっきから雪は激しくなる一方。。。

 

(ところで、この、そうちゃんの”バスがいいー!!”は、一見、小さな子供だったらあり得る、”平凡な駄駄”であるようにも映る。

たとえば、次男(2歳)にも、こういう駄駄は日常的にあること。

けれど、そうちゃんの場合、似ているようで、、、違うのだ。

 

もともと、そうちゃんは、興味をよせる対象がものすごく狭い。

だから、ひとたび気持ちが脱線すると、目を他の興味の対象にうつして、気持ちを立て直そうにも、それがうまくできない。

 

一方、次男は、何か思い通りにならないことが起こると、かならず「ママ、どうして?」と聞く。

小さいながらに、”どうしてできないのか。”という理由(理屈)をまず知りたがるし、何より、言葉を理解することができるので、納得いかないなりにも、その都度、その出来事から次男なりに何かを学びとっていく。

 

で、一番大きいのは、あんまり長引くようだったら、最後の最後は、私が子供をだっこしてその場を去ることができる、ということ。

そうやって場面をかえるだけで、しばらくすると、次男の興味は、いつの間にか他の対象へとうつり、”サササッ”と気持ちがきりかえられる。

これができるかできないか、この違いが、、、とてつもなく大きい。)

 

、、、と、さっきまでおとなしくベビーカーに座っていた長女が”ふぇ、、、、ん、、、。 ふぇ、、、、ん、、、。”と泣き出した。

そして、そのうち、ベビーカーの中で体をくねらせ体をバタバタ。

 

次第にその泣き声は大きくなり、ついには、声をあげて激しく泣き出した。

さっきからベビーカーが少しも動かず、ずっとこの場にとどまっていることへの不満と空腹を、体いっぱいで訴えている長女。

 

そんな長女をみながら、たまらず、私はそうちゃんに、

「ねえ、そうちゃん。 なっちゃん(長女のこと)、かわいそうだよ。 

”おなかすいた”って泣いてるよ。 

今日は、ママのブーブー(車)で学校行こう、、、。 

お願い! ねっ、お願い!!」とお願いするも、そうちゃん、聞く耳もたず。

、、、それどころか、そうちゃん、一向に来る気配のないバスに「バス、まだ?! バス、まだ?!」と、イラ立ちをつのらせている。

 

私は、そうちゃんと長女の”板ばさみ攻撃”にあいながら、そのうちに、”これから、どうしよう。。。”という焦りと、どこへ向けてよいのかわからない怒りでいっぱいになった。

私は、そうちゃんの手を強く引き、車のある家にもどろうともしたけれど、そうちゃんは、泣き叫び、座り込んで反抗。

テコでも動こうとしない。

 

、、、見渡せば、だいたい、こんな雪の中、ずっと同じところにとどまったまま動かない人なんて、私たちの他、誰もいやしない。

みんな、前に前に向かって、どんどん進んでいるじゃないか。。

そのことが私をとてつもなく悲しくさせた。

 

けれど、そのうちに、雪は、どんどん激しくなり、、、。

ついには、視界が真っ白になるほどの猛烈な吹雪となった。

そして、傘を自分でさすことができないため、レインコートを着ているそうちゃんの頭にも、長女の乗ったベビーカーのレインカバーの上にも、私の足元にも、肩にも、少しずつ少しずつ雪がつもりはじめた。

 

”あーあ、、、。 どうしよう。。。”。 

そう思いながら、目の前で、久々に荒れ狂うように降る雪をジーッと見ていたら、フシギなことに、だんだんと私の焦りと怒りはスーッと静まっていった。

 

”、、、そうだよね、まーさあ、しょせん、自然にはかなわないんだよね~、、、。 

もう、ここは流れにのっかって自然にまかせるよりないよねー、、、。 

(長女だって)一食(?)ぬいたぐらいでどーこーなるわけじゃないし、、、。

そうたいしたことでもないっか。。。”という気持ちが静かにわいてきた。

 

そして、頭にパッと浮かんだのは、昔テレビで見た、日本むかし話の”かさ地蔵”。

”ええいっ、こうなったら、静かに、かさ地蔵になった気持ちになって、ここで待ってやろうじゃーないか。。。”という気持ちがこみあげてきた。

 

かりに、バスがこのバス停までたどりつくことなく、私たちかさ地蔵三人組に猛烈な吹雪がおそって、ワッサワッサと雪が積りつもり、命尽きることがあったとしても、

「ほーほー そりゃー、おもしろいやっ! 望むところよ! 上等ジャン!!」という、開き直りの気持ちでいっぱいになった。

 

それから、どういうわけか、”それにしても、、、、この先の結末、私たちはどーなるんだろ~ねー?!”と思えば思うほど、なんだかプッと笑ってしまいそうな滑稽な気持ちにさえなってきた。

 

そして、次に私に頭に浮かんだのは、ニュースの映像。

そう、”山から民家におりてきたクマ”の映像。

、”そうそう、そうなんだよね~。 あれさえあれば! あれさえあればね~!!!!”と、私が切望したのは、、、。

 

”クマから危険を回避するための麻酔銃”。

まー、できれば、吹き矢タイプの麻酔が望ましい。

 

それをそうちゃんに、後ろから”フッ”とやって、そうちゃんがクマのように”ハァ~~~~っ”と気を失っている間に私が家へ車をとりに帰り、、、。

その車でバス停にもどり、そうちゃんをピックアップ。

それから学校へ直行し送りとどけたら、速攻、家へ。

お腹をすいた長女にスッタカタッタッターとミルクを溶かし作って、飲ませてあげたい。。

 

降り積もる雪の中、そんなこんなを夢みながら、ひたすら静かに”地蔵”になって待ち続けたこと、1時間半ちょっと。

ふと顔を上げて見ると、向こうの向こうから、そうちゃんのスクールバスの屋根がかすかに見えてきた、、、。

 

もう、その時のうれしさといったら!!

山で遭難して、もうダメだとあきらめた頃、”プルプルプルプル~”とヘリコプターの救助隊がやってきたとしたら、きっと、こんな気持ちになるんだろうなあ、、、と思った。

 

それから、そうちゃんは、ようやく到着したスクールバスに、いつもよりいくぶんクールな表情で乗り込み、大好きな学校へと出かけて行ったのだった。。。

 

次回へつづく

 

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そうちゃん 11歳・冬(5)

前回ブログのつづき

                                                              

そうちゃんが不安になるのは、もちろん家の中だけではない。

外でそうちゃんが混乱すると、家よりずっとやっかいだ。

ああ、今、思い出した、、、。

あれは、数年前、めずらしく吹雪くほど雪がふった、ある冬の日。。。

                                                             

あの日の朝も、いつものように、そうちゃんをスクールバスに乗せるため、長女(まだ赤ちゃんだった)をベビーカーに乗せ、歩いて近くのバス停へ。

                                                              

バス停には、私たち親子のほかにも、スクールバスを待つ親子が3組。

凍えるほど寒い中、みんなと一緒にスクールバスを待っていたけれど、その日、なかなかバスはこなかった。

                                                              

と、そのうちに、学校から連絡があり、

”雪のため、大幅にバスが遅れている。 

とりあえず、バスは今、動いている事は動いているけれど、渋滞と積雪のため、これからどのくらい遅れるかわからないし、もしかしたら、バスが行きつかない可能性もある”とのこと。

                                                             

(そうちゃんのバス停は、バスコースとしては、いちばん最後のバス停。

学校からもっとも近いバス停で、スクールバスに乗ってしまえば、7~8分で学校に到着する。)

                                                              

私はその連絡を聞いて、一瞬、”ゾゾーっ”。

悪~い予感はしたものの、気をとり直して、なるべく、それをそうちゃんに気づかれないように、かる~く明る~く言った。

「ねーねー、そうちゃーん。 バス、こないってよ~。 

今日はさー、バス、こないんだってー。」。

                                                              

すると、突然の事態にめっぽう弱いそうちゃんは、一瞬にして、顔がこわばり、そうちゃんの顔に不安が広がった。

「さっ、さっ、、、お家に帰って、ママのブーブー(車)で学校に行こっか~?」と、私。

すると、案の定、そうちゃんは、「いやだー。 バスがいい~。」と、顔をゆがめながら大きな声で言う。

                                                              

そんなこと言われても、バスはいつ来るとも知れない、、、。

それに、ベビーカーには、そろそろミルクの時間になる長女もいるため、ここでモタモタしているわけにはいかない。

(長女は、母乳ではなく”ミルク育ち”なので、家に帰らないと、ミルクを飲ませてあげることができない。)

                                                              

けれど、私の悪~い予感は的中!

そうちゃんの、「バスがいい~!」 「バスがいい~!!」の声は、次第に大きくなるばかりだ。

ただでさえ、急な変更や突発的な出来事が苦手なそうちゃんなのに、今回は、そうちゃんが大好きなバスに乗れない危機があると察知したので、その混乱ぶりはすごかった。

                                                              

そうちゃん、とにかくバスが好き。

特にスクールバスは大好き。

スクールバスに乗ることは、三度のごはんと同じくらい好きなのだ。

                                                              

今日もまた、スクールバスにのることを朝からワクワク。

うれしくて跳ねるような足取りでバス停に向かい、ドキドキしながらバスを待ち、、、。

なのに、バスに乗れないだなんて、、、。

そうちゃんには、とてもとても考えられないことなのだ。

きっと、そんなこと、そんな裏切り、そうちゃんにとっては、天と地がひっくりかえった程のことなのだ。

、、、気持ちはわかるけれど、、、でも!!

                                                             

そのうちに、私の”こりゃー、、、マズイことになったぞ、、、。”という空気を敏感に感じてか、同時に、”いつもとちがう状況”をそうちゃんなりに察知。

”不安”がどんどん増してきて、そうちゃんは、降りおちた雪がとけてベショベショになった地面に座り込み、足をバタバタしながら、「いやだー! バスがいいー!! バスがいいー!!!」。

                                                             

私は、なんとか、他の手がないかと、

「じゃーさー、、、タクシー、、、? そうちゃん、今日は、タクシーのって学校行く~?」。

そうちゃん、タクシーは大好きなので、一応、誘ってみる。

しかし、そうちゃんは、もちろん”No”。

(この日は、車が大渋滞。

どちらにしても、タクシーなんて、とてもとてもつかまりそうになかったので、これは、自らあきらめたけれど。)

                                                                

                                                        

同じバス停のお友達は、、、というと、お母さんの”じゃっ、お家の車で行こう!”の誘いに、あっさり一発、”オッケー!!”。

みんなゾロゾロとひきあげていく。

                                                              

こちらはこれから”そうちゃんとの静かな戦い”がはじまるというのに、みんなは、極めて”平和的解決”で、あっさり幕は閉じていく。。。

                                                              

「家に車とりに戻った後、ここ(バス停)によるから、そうちゃんが大丈夫そうだったら、一緒に乗せていくよ!」と、一人のお母さんが私たちのことを心配して言ってくださった。

10分くらいたって、そのお母さんは、子供を後ろに乗せた車で、私たちを誘いにきてくれたけれど、このありがたきお誘いを、そうちゃんは遠慮なく”No!!”。

                                                             

、、、そういうことで、残された三人組(そうちゃん、私、長女)は、バス停に残り、くるかこないかもわからないバスをひたすら待つことになったのだった。。。

                                                            

次回につづく

                                                             

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そうちゃん 11歳・冬(4)

前回ブログのつづき

                                                            

自分の気持ちを言葉という手段でうまく表現できない、目にみえるもの、目の前で起こることの一つ一つの意味がよく理解できないそうちゃんは、”変化”というものにめっぽう弱い。

                                                             

決まった流れの中での生活は、気持ちを落ちつけて安定できるのだけれど、なにか突発的な出来事があったり、いつもとちがう場面に直面すると、そりゃーもー 大変!!

ものすごく不安になり、混乱してしまう。

                                                           

長女(4歳)や次男(2歳)をみていると、むしろ、毎日が、「What’s new?」。

二人は、何か、目新しいもの、目新しいことがないものかと、一日中、目をクリクリしながらセンサーをはたらかせている。

そして、

「なんで~?」 「どーして~?」

 「どーして~?」 「なんで~?」と興味津々。

                                                             

二人は、変化(=新しいこと)を”興味”として楽しく受け入れるけれど、そうちゃんは、それを”不安”として感じてしまうのだ。

                                                           

たとえば。。。

いつもは、パパは、私たちが朝食を食べる前のほぼ同じ時間に、会社へでかけるのだけれど、ちょうど、その日は、仕事の都合で、いつもより30分、家をでる時間が遅くていい日があったとする。

                                                              

長女と次男だったら、「パパ、会社まだ行かないの?」。

それに対し、パパは、

「うん、今日はね、会社に行く前に行かなきゃいけないところがあるんだあ。

みんなとごはん食べてから行くねー。」。

、、、たったそれだけのことなのだけれど、そうちゃんだと、そうはいかない。

                                                            

「パパ、カイシャ(は)?、、、カイシャ(は)?? 、、、カイシャ(は)???」。

そうちゃんは、パパに何度も確認しながら、 ”いつもは家をでている時間なのに、今日は、どうしてまだ会社に行かないのだろう?”。

、、、と、もう、心は不安だらけになり、そうちゃん、平常心を保てなくなる。

                                                             

そして、足をばたばたして、床にねっころがり、泣き叫ぶ。

そして、”どうしていつも通りじゃないんだー?!”と、どんどん混乱を自ら高めていく。

ここまで混乱すると、なかなかもとにリセットすることは難しい。

                                                              

朝の忙しい時間だから、ごはんを食べたり、洋服を着替えたり、、、と、しないといけないことが次々ある中で(いつもは、同じ流れで一つ一つすすめていく)、そうちゃんは、もうそんなどころではないくらいの”不安な気持ち”にどっぷりはまってしまう。

そうちゃんの思考も行動も、そこで(パパがいつもの時間に家をでなかった時点で)ピタリととまってしまうのだ。

                                                              

(ちなみに、そうちゃん、時計では時間を理解することはできない。

その代わりに、朝、起きたら、テレビをバチッ。

そのテレビの進行をみて、自分の時計がわりにしている。

しかも、チャンネルは、そうちゃんの中で決められた順に変えられている様子。

”○時○分になったら、この番組!!”というのがある模様。。)

                                                              

で、結局、自分の気持ちを整理できるのは、30分後、パパがやっと会社にでかけてからようやく、、、ということになるのだ。

こんな些細なことにでも、そうちゃんは、気持ちを乱され、まっすぐにすすめなくなってしまう。

                                                           

たとえば、私が学校へ授業参観に行く時も、学校の先生が家庭訪問で家にいらっしゃる時もそう。

そうちゃんの混乱ぶりは、相当なものとなる。

                                                             

そうちゃんの中では、”先生は学校にいて、ママは家にいる”というのが決まりらしい。

だから、”家にいるはずのママが学校に「ヒョイっ」と出没したり、学校にいるはずの先生が突然に「ヌーッ」っと家に現れる”なんざー、到底理解できることではないらしい。

                                                              

もう、そうちゃんとは長いつきあいだから、こういうそうちゃんの特質は、ちょっとずつは、慣れてきたつもり。

                                                             

でも、その都度、そうちゃんが、あまりにも、、、あまりにも新鮮に驚き、混乱する姿に、そんな私でさえ、

「そうちゃん、どーしてまた、、、。

 なにがそんなに、、、、。

?! ?! ?! ?! ?!」。

、、、いまだに、どうしてそこまで混乱するのか、本当のところは、よくわからなかったりする。

                                                           

だからこそ、前回ブログで書いたような、”ありえないシチュエーション”に自分の身をおいて、ひたすらに”そうちゃんの気持ち”を想像してみたりするのだ。

そうちゃんにしてみれば、理解できないことだらけの世界において、唯一、”昨日と同じ今日であること”だけが、そうちゃんにとっての命綱のようなものなのかもしれない。

                                                            

でも実際は、平凡な毎日にも、”昨日とちがう今日”はあふれているわけで、、、。

その辺が、私にとってみると、”育てにくさ”、そうちゃんにとっては、”生きにくさ”につながっているのだ。。。

                                                              

次回につづく

                                                          

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そうちゃん 11歳・冬(3)

前回ブログのつづき  

                                             

、、、が、しかし、夜が明けると、朝が来る。

でもって、朝が来ると、当然のことながら、”スースースー”と寝ていた、”たんぽぽの綿毛のようなそうちゃん”が目を覚ます。

さあ、ここから、そうちゃんと一緒の一日がはじまるのだ。

 

健康な子供だって、”いつも天使”であるはずはない。

当然のことながら、それは、そうちゃんも同じだ。

時に、”たんぽぽの綿毛”は、”あつかいのわからないライオン”となることも、ままあるのだ。。。

 

やはり、そうちゃんを育てるのは大変だ。

もっと正確に言えば、”大変”というよりは、とても”難しい”のだ。

 

だいたい、”子育て”なんてひと言で言うけれど、人間が人間を育てるなんてことは、簡単なはずはない。

だから、長女(4歳)と次男(2歳)を育てるのも、大変であることには違いないのだけれど、そうちゃんの場合、その遥かかなた上を行く。

長女(4歳)と次男(2歳)を育ててみて、あらためてそう思う。

 

そして、”そうちゃんを育てることの難しさ”は、障害があるゆえの、”そうちゃんの生きにくさ”にまっすぐつながる。

 

そうちゃんは、おしゃべりもほんの少ししかできないし、手先も不器用で、ボタンやファスナーを自分でとめることもできないし、そういう意味では、赤ちゃんと同じだと思う。

けれど、だからといって、”なにも感じていない”わけではないのだ。

 

むしろ、人間をみる目は鋭く、本能的な勘がはたらく。

そして、胸の内には、私たちと同じように、うれしいこと、楽しいこと、悲しいこと、悔しいこと、いやだったことが、たくさんたくさんつまっている。

にもかかわらず、その思いを伝える手段が、”障害”という大きな壁によって遮断されているため、本当につらい思いを強いられているのだ。

そして、物事を理解する力が極端に乏しいため、そのことがそうちゃんの中で、いろんな混乱をまねく。

 

健康な子供は、一つ一つ段階をへて成長していくので、自分と自分以外の世界との距離とを少しずつ少しずつ縮めていく。

一方、そうちゃんは、知的な発達は、ものすごく幼いところで頭打ちされてしまうにもかかわらず、体だけはどんどん大きくなる。

そして、体が大きくなるにつれ、一歩外にでると(いや、家の中でも、知らず知らずのうちに)、そうちゃんに要求されることも数多くなり、そして、難しくなってくる。

だから、そうちゃんとそうちゃん以外の世界との距離は、なかなか縮まらないどころか、皮肉にも、そうちゃんが歳をかさねるごとに、どんどん遠く遠くなっていくように映る。

 

そうちゃんを育てていて気がついたのは、一歩外に出ると世の中、”決まりごと””ルール”は無数なのだ。

そして、”大きな声をださない”とか、”信号は青でわたる”とか、”買い物する時はお金を払う”などなど、私たちにとって、普段、当たり前だと思って意識もしないようなことが、そうちゃんにとっては、”ナゾだらけ!!”のことなのだ。

 

”どうして○○してはいけないのか。” 

”どうして△△しないといけないのか。”というところの、”どうして”の理屈の部分を理解できないそうちゃんにとって、模範的な人間を基準にしてつくったと思われる、”お決まりのルール”の中で生きることは、とても難しい。

 

たとえば、

”私が、どこかしらない国に、一人、ポーンと放りだされたとする。

で、その国では、まったく言葉が通じない。

知っている人もまったくいない。

そして、文化も、まったくをもって奇妙としか言いようのないもので、とてもとても理解できない。

でもって、やっとこさ一日終わったと思ったら、次の朝には、また、どこかしらない国にポーンと放りだされる。

で、その国もまた、食べ物も、慣習も、言葉も、、、すべてが、昨日いた国とちがう。。。”

もし、そんな日々が毎日つづいたらどんなだろうか。。

でも、きっと、それくらいの過酷な状況の中で生きているのが、今のそうちゃんなんじゃないかと思う。

 

”そうちゃん育てるの、難しいなあ、、、。”と思った時は、迷わず、そういう”ありえないくらい過酷なセッティング”の中に自分の身をおいて、ただひたすらに想像をふくらますことにしている。。。

 

次回につづく

 

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