前回ブログのつづき
お友達とお母さんたちがいなくなってしまったら、急にガランとしてしまったバス停。
そして、さっきから雪は激しくなる一方。。。
(ところで、この、そうちゃんの”バスがいいー!!”は、一見、小さな子供だったらあり得る、”平凡な駄駄”であるようにも映る。
たとえば、次男(2歳)にも、こういう駄駄は日常的にあること。
けれど、そうちゃんの場合、似ているようで、、、違うのだ。
もともと、そうちゃんは、興味をよせる対象がものすごく狭い。
だから、ひとたび気持ちが脱線すると、目を他の興味の対象にうつして、気持ちを立て直そうにも、それがうまくできない。
一方、次男は、何か思い通りにならないことが起こると、かならず「ママ、どうして?」と聞く。
小さいながらに、”どうしてできないのか。”という理由(理屈)をまず知りたがるし、何より、言葉を理解することができるので、納得いかないなりにも、その都度、その出来事から次男なりに何かを学びとっていく。
で、一番大きいのは、あんまり長引くようだったら、最後の最後は、私が子供をだっこしてその場を去ることができる、ということ。
そうやって場面をかえるだけで、しばらくすると、次男の興味は、いつの間にか他の対象へとうつり、”サササッ”と気持ちがきりかえられる。
これができるかできないか、この違いが、、、とてつもなく大きい。)
、、、と、さっきまでおとなしくベビーカーに座っていた長女が”ふぇ、、、、ん、、、。 ふぇ、、、、ん、、、。”と泣き出した。
そして、そのうち、ベビーカーの中で体をくねらせ体をバタバタ。
次第にその泣き声は大きくなり、ついには、声をあげて激しく泣き出した。
さっきからベビーカーが少しも動かず、ずっとこの場にとどまっていることへの不満と空腹を、体いっぱいで訴えている長女。
そんな長女をみながら、たまらず、私はそうちゃんに、
「ねえ、そうちゃん。 なっちゃん(長女のこと)、かわいそうだよ。
”おなかすいた”って泣いてるよ。
今日は、ママのブーブー(車)で学校行こう、、、。
お願い! ねっ、お願い!!」とお願いするも、そうちゃん、聞く耳もたず。
、、、それどころか、そうちゃん、一向に来る気配のないバスに「バス、まだ?! バス、まだ?!」と、イラ立ちをつのらせている。
私は、そうちゃんと長女の”板ばさみ攻撃”にあいながら、そのうちに、”これから、どうしよう。。。”という焦りと、どこへ向けてよいのかわからない怒りでいっぱいになった。
私は、そうちゃんの手を強く引き、車のある家にもどろうともしたけれど、そうちゃんは、泣き叫び、座り込んで反抗。
テコでも動こうとしない。
、、、見渡せば、だいたい、こんな雪の中、ずっと同じところにとどまったまま動かない人なんて、私たちの他、誰もいやしない。
みんな、前に前に向かって、どんどん進んでいるじゃないか。。
そのことが私をとてつもなく悲しくさせた。
けれど、そのうちに、雪は、どんどん激しくなり、、、。
ついには、視界が真っ白になるほどの猛烈な吹雪となった。
そして、傘を自分でさすことができないため、レインコートを着ているそうちゃんの頭にも、長女の乗ったベビーカーのレインカバーの上にも、私の足元にも、肩にも、少しずつ少しずつ雪がつもりはじめた。
”あーあ、、、。 どうしよう。。。”。
そう思いながら、目の前で、久々に荒れ狂うように降る雪をジーッと見ていたら、フシギなことに、だんだんと私の焦りと怒りはスーッと静まっていった。
”、、、そうだよね、まーさあ、しょせん、自然にはかなわないんだよね~、、、。
もう、ここは流れにのっかって自然にまかせるよりないよねー、、、。
(長女だって)一食(?)ぬいたぐらいでどーこーなるわけじゃないし、、、。
そうたいしたことでもないっか。。。”という気持ちが静かにわいてきた。
そして、頭にパッと浮かんだのは、昔テレビで見た、日本むかし話の”かさ地蔵”。
”ええいっ、こうなったら、静かに、かさ地蔵になった気持ちになって、ここで待ってやろうじゃーないか。。。”という気持ちがこみあげてきた。
かりに、バスがこのバス停までたどりつくことなく、私たちかさ地蔵三人組に猛烈な吹雪がおそって、ワッサワッサと雪が積りつもり、命尽きることがあったとしても、
「ほーほー そりゃー、おもしろいやっ! 望むところよ! 上等ジャン!!」という、開き直りの気持ちでいっぱいになった。
それから、どういうわけか、”それにしても、、、、この先の結末、私たちはどーなるんだろ~ねー?!”と思えば思うほど、なんだかプッと笑ってしまいそうな滑稽な気持ちにさえなってきた。
そして、次に私に頭に浮かんだのは、ニュースの映像。
そう、”山から民家におりてきたクマ”の映像。
で、”そうそう、そうなんだよね~。 あれさえあれば! あれさえあればね~!!!!”と、私が切望したのは、、、。
”クマから危険を回避するための麻酔銃”。
まー、できれば、吹き矢タイプの麻酔が望ましい。
それをそうちゃんに、後ろから”フッ”とやって、そうちゃんがクマのように”ハァ~~~~っ”と気を失っている間に私が家へ車をとりに帰り、、、。
その車でバス停にもどり、そうちゃんをピックアップ。
それから学校へ直行し送りとどけたら、速攻、家へ。
お腹をすいた長女にスッタカタッタッターとミルクを溶かし作って、飲ませてあげたい。。
降り積もる雪の中、そんなこんなを夢みながら、ひたすら静かに”地蔵”になって待ち続けたこと、1時間半ちょっと。
ふと顔を上げて見ると、向こうの向こうから、そうちゃんのスクールバスの屋根がかすかに見えてきた、、、。
もう、その時のうれしさといったら!!
山で遭難して、もうダメだとあきらめた頃、”プルプルプルプル~”とヘリコプターの救助隊がやってきたとしたら、きっと、こんな気持ちになるんだろうなあ、、、と思った。
それから、そうちゃんは、ようやく到着したスクールバスに、いつもよりいくぶんクールな表情で乗り込み、大好きな学校へと出かけて行ったのだった。。。
次回へつづく
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