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そうちゃん 11歳・冬(1)

  そうちゃんのお布団
                                                                                                                                                       
これは、今年のお正月明けに、そうちゃん(長男・11歳・知的障害アリ)が母・よしこ(おばあちゃん)にプレゼントしてもらったお布団。
夜、お布団におもらしすることがなくなり、トイレで<大>をできるようになった(それまでは、どうしても、<大>はオムツでしかでき
なかった)成長の記念に買ってもらったもの。。
                                                                                                                                                         
そうちゃんは、毎日、このお布団に寝る。
長い手足を自由な方向にビヨ~ンとのばし、この枕にうつ伏せになって寝るのが、そうちゃんスタイル。
                                                                            
寝ている時の柔和な顔にひきつけられて、子供たちが寝静まった暗い部屋の中、私は、そうちゃんの枕元に思わず座りこむことがある。
                                                                           
”スー スー スー”という、規則正しいそうちゃんの寝息。
これをきくと、なんだか今でも”ホッ”とする。
(というのも、そうちゃん、生後すぐ、呼吸が苦しくなり、大学病院のNICUに運ばれた経緯がある。
その頃のそうちゃんは、呼吸するたびに胸が上下に大きく揺れて、息もとても荒かった。
次はもう、呼吸がとまってしまうのではないか、、、という心配をいつも抱えて、私は、そうちゃんのそばにいた。。)
髪をなで、手足をさわると、そうちゃんの肌は、やわらかく、とてもあたたかい。
                                                                            
(よしこが時おり、そうちゃんをみて言うことがある。
「ちはる(私のこと)ちゃーん。 そうちゃん、惜しかったわね~! 
もう、ママ、残念でしょうがないわよ~。
そうちゃん、なかなかいい顔してるのにね~。」。
                                                                                   
そうなのだ。
そうちゃんは、いわゆる”ハンサム顔”ではないのだけれど、なんともやさしく、どこかエキゾチックで、そして、笑うとフニャリと崩れ
る顔。
背も高く、手足もながく、全体的に”馬”のイメージで、
「もしさー、クラスにこういう男の子がいたら、けっこうもてたかもよ~。
いやいや、残念!!」と、私もパパに言ったりする。)
                                                                                                     
限りなく平和な穏やかな顔で寝ているそうちゃんをみて、いつも思うことがある。
「寝てる時だけは、そうちゃんも、なっちゃん(長女・4歳)も、はっくん(次男・2歳)も、同じなんだよね~。。」。
寝ている時だけは、そうちゃんも、障害による不自由さを感じることなく時を刻んでいるということが、ちょっと救われる思いなのかもし
れない。
                                                                              
この間、介護のテレビをみていた時のこと。
(だんなさんが病気の奥さんを介護するという番組)
だんなさんが奥さんの代わりに、ごはんを作ったり、一人ではでかけることができなくなってしまった奥さんをつれて外に散歩にでかけた
り、お風呂にいれてあげたり、、、というシーンを見て、私は、自然に言葉がでた。

「わー、、、。 大変だね~。。」。
                                                                            
そこで、そばで一緒にテレビを見ていた長女が、「ママ、なんで、何が”大変”なの~?」と聞くので、私は、
「だってね、この奥さんが病気でいろんなこと、できなくなってしまったから、代わりに、このだんなさんがお世話してるんだよー。」。

                                                                          
、、、そう言って、ハッとした。
「あっ、、、。 ママも同じだね。 
そうちゃんのお世話、おんなじようにしてるね~。 
ママも介護してるんだよね、、、。
いや~、ママも大変なんだー。。。」と、つぶやいたくらい。
                                                                          
こんな感じで、そうちゃんの障害も、気がつけば、私の生活の中に、すっかりとけこんでいる。
今さら、”そうちゃんに障害がなかったらなあ、、、。”なんて思うことはないし、今となっては、障害あってこその”そうちゃん”なの
だと思う。
                                                                             
けれど、夜、そうちゃんの枕元に座った時だけは、私の心の片隅からわきあがってくる感情がある。
それは、”そうちゃんにも、できれば、(長女や次男と同じように)健康に(障害をおうことなく)私の体からおくりだしてあげたかった
なあ。。”、、、という思い。
                                                                            
これは、頭の中からでる思いというよりは、もっと感覚的なもの。
私のお腹に赤ちゃんが宿り、、、。
そして、いつもいっしょだったその赤ちゃんが自分のお腹から出て、別々に分かれた人間になる瞬間を身をもって感じた経験をした母親だ
けがもつ感覚なのかもしれない。
                                                                        
その一点の思いが胸にせまると、”ごめんね、そうちゃん。。”という思いが湧き上がり、そうちゃんをガバッと抱きしめたくなる気持ち
を抑えられなくなる。
                                                                                 
長女と次男が生まれる前もそういう思いはあったけれど、長女と次男が生まれ、二人が、すくすくとまっすぐに力強く成長していく姿をみ
て、それは尚、色濃くなったように思う。
                                                                      
次回につづく
                                                                           
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