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不死身のベンちゃん<前編>

ベンちゃん、、、それは、うちにあるベンジャミン(幹の部分がヨリヨリにあまれた観葉植物)のこと。

べンちゃんは、もともとは、母・よしこの家(実家)にあった。

私が結婚してまもない頃のある日、実家へ行くと、よしこは言った。

「ちはる(私のこと)ちゃん、この植木、いらない? なかなかいい形で気に入ったから買ったんだけど、部屋に置いてると、葉っぱから汁がカーペットに落ちて、ベタベタになって気持ち悪いのよ~。 ちはるちゃんがもらってくれないなら、ママ、これ、もう捨てちゃうわ。」。

改めてみると、なかなかにモクモクと茂った葉っぱは立派で、”ふふーん。部屋に木があるっていいよね~、、、。”と思った私は、「じゃ、ちょーだい。」とすぐさま返事をした。

 

そのベンちゃん、その時すでに背丈は高く、帰り、私の家に持ち運ぶ時は、車の前のシートをねかせ、そこにベンちゃんを寝かせるようにして、やっとこさ車におさまるくらいの大きさだった。

よしこは、「このベンジャミン、けっこういい値段したのよー。」と、ちょっとだけ未練のある目でベンちゃんを見た。

でも、そうそう思い出したといわんばかりに、”カーペットがベタベタになって気持ち悪いから、くれぐれも、家の中には置かないように”と、帰り際、何度も私に言った。

私は、「うん、わかった。」 「わかった、わかった。」と言ってその場をあとにしたけれど、家につくやいなや、私は、ベンちゃんを迷わず、リビングへ運び、私のピアノの横に置いた。

ベンちゃんが私の家にやって来た時、まだ、そうちゃん(長男・11歳・知的障害アリ)は、生まれていないどころか、存在のかけらもなかった。

 

ベンちゃんはその後、順調に育ち、背もちょっとづつのび、モクモクモクモクと葉を茂らせた。

私は、ときおり、その葉っぱを全体が丸くなるようにチョキチョキチョキチョキと切って整えるのが大好きだった。

よしこが私の家に遊びに来ると、「あら、なかなかこれ、いいじゃない。 うちにあった時より元気がいいわね~。 これ、けっこういい値段したんだから~。 こうやってみるとなかなかいい木なのねー。」と、ベンちゃんをほめた。

でも、その後、「うわっ! ベタベタして気持ち悪いわね~!! ほらっ、カーペットがこんなにベタベタしてるじゃない。 これだからいやなのよー。 ちょっとこれ、ベランダに出してしまいないなさいよ~!!」と必ず言った。

けれど、ベンちゃんが部屋の中にいると、家にいながらにして自然の空気を感じることができた。

そう、ベンちゃんは、すでに私のちょっとしたオアシス的存在になっていた。

なんとも落ちつくのだ。

なので、よしこから何度言われても、私は、ときどきカーペットをふきふきして、少々のベタベタはがまんすることにした。

そうちゃんが生まれ、いろいろ大変だった時期もベンちゃんはピアノの横にずっといた。

 

それから、数年が立ち、家も2度引越し、長女(3歳)が生まれた。

まだ長女が動かない時はよかったけれど、ハイハイし始めた頃、長女は、ベンちゃんに興味を示し、土をさわってはイタズラするようになった。

なので、仕方なく、思い切ってベンちゃんを、ベランダにだすことにした。

約8年ものあいだ、リビングで、夏は涼しく冬はあたたかく、、、と、なんともぬるい環境で育ったベンちゃんが、これからは、夏の暑さと冬の寒さにさらされることになる。

夏はよしとしても、寒い冬を越えられるのか、、、。

ベンちゃんが外に出て初めての冬、雪の降る日に、ガラス越しにベンちゃんを見た時は、気の毒でいたたまれない思いがしたものだ。

 

ベンちゃんが外に出家してからというもの、ベンちゃんは、冬になると必ず、たくさんの葉を落とし、葉っぱはスカスカになり、私を心配させた。

けれど、春になって暖かくなってくると、また、新しい、黄緑の小さな葉っぱをあちらこちらにつけるのだった。

そして、その黄緑の葉っぱは、陽の光をいっぱいにあびて、夏になる頃には深緑になり、葉っぱをサワサワと茂らせる。

ベンちゃんは、すっかりたくましくなり、しっかり外で頑張っていた。

ところが、、、。

次回へつづく

 

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