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そうちゃんのバギー

ここ最近は、もう使うことがなくなっていた”そうちゃんのバギー”を今日、粗大ごみとして、捨てた。

このバギー、そうちゃん(長男・10歳・知的障害アリ)が歩けるようになってからは、緊急時(例えば、そうちゃんを病院へつれていくそうちゃんが嫌がり、”イヤイヤ”して、ペタンと床に座り込み、バタバタする用意していたこのバギーにサッと、そうちゃんをのせる バギーにはベルトがついているので、それをバリバリっバリバリっとはめるそうちゃん、動けなくなる好都合!!)のみ限定、活躍していた。

                                                              

けれど、だんだんと、そうちゃんも成長、、、病院へもドタバタせずに(いまだに、時おりタイヘンな思いをさせられる時もありますが)行けるようになってきた。

それに、そうちゃんの体が大きくなったので、そうちゃんがバギーに座ると、バギーは、キーキー音をたてて、”重いぞ! 重いぞ!”とクレームをいうように、、、。

そんなこともあって、このバギー、ここ2年ほど活躍する機会もなく、タンスの部屋の隅にひっそりと立てかけられていた。

そうちゃんが使っていた頃は、”ジャマだ”なんて思ったこともなかったけれど、もう、これから先、使う事もないだろうなあ、、、と思った途端、”う~ん、ジャマ、ジャマ。 場所とってるだけだから、処分しよう”ということになった。

                                                              

思えば、このバギーとは、7年の付き合いだった。

バギーを作ったのは、そうちゃんが3歳すぎてしばらくたった頃。
まだ歩けなかったそうちゃんは、それまで、ベビーカーに乗っていたけれど、だんだんとベビーカーが小さくなり、ベビーカーに乗せると、そうちゃんの足が地面について、ズルズル~ズルズル~と引きずるようになった。

ベビーカーはベビーカーで、キーキーキーキー悲鳴をあげていた。

で、とうとう、バギー(障害のある子供に、車椅子やバギーを専門でつくってくださる業者があり、そこで、寸法をはかったり、どういうバギーがいいか選ぶ。

バギーを作る際は、その費用は、保険で援助してもらえるので、私が負担するのは一部。)をつくる日が来た。

                                                              

いつかはつくらなければならない日がくるとは思っていたけれど、いざ、自分の子供のバギーをつくるとなると、ため息が一つも二つも三つも出るような、、、そんな気分だった。

”そうちゃんが歩けない”ということは事実で、それは、ベビーカーにのろうとバギーにのろうと変わらないのだけれど、気持ちの上で、バギーになると、”そうちゃんが歩けないこと”が、今さらのように自分の中で大げさに誇張され、そうちゃんが歩けるようになるまでの道のりはとんでもなく長いのではなかろうか、、、。

いやいや、長いだけならいいが、そんな日は、もしかしたら来ないのではなかろうか、、、と、弱気にもなった。

その日、採寸がおわり、いよいよ生地の色を選ぶ時が来た。

業者のおじさんが、「はい。 じゃ、この中から色をえらんで~。」と言って、私に生地のカタログ(サンプル)を手渡してくれた。

                                                            

思ったとおり、予想はしていた。

でも、、、。

車椅子といえば、あの、ガザガザの生地。

病院の入口なんかに置いてある、あの車椅子の生地。

雨にぬれても、ちょっとふけばいいように工夫されたあのガサガサ生地。

生地はいい。

                                                              

でも、色が、、、。

私の手元にあったカタログ(サンプル)には、”あずき色か、紺色か、濃い緑色か、、、。”という、”もう、車椅子といえば、あの色しかないでしょう!!”、、、というような、そんな色しかなかったのだ。

がっくりだった。

ただでさえ、気ののらないバギーをつくりに来て、ふと、そうちゃんの乗っているベビーカーをみると、地はブラック。

それに、ところどころ、赤いチェックの生地がまざり、背もたれには犬までついていて、かわいいベビーカーだったんだもの。

                                                              

私は、「紺色はパスだなあ、、、。 あずき、、、いや、緑、、、いや、あずき、、、。」と思いながら、ガックリ肩を落としていた時、そばにいた業者のおじさんが私に言った。

「どうしたと??」。

私が、”かわいい生地がないからがっくりだ。 この中から選ばないといけないんですよね、、、。”というようなことを力なく言ったら、おじさんは、「仕方ないもん。 それしかないんやけーん。」。

「そうですよねー、、、。 じゃあ、どれにしようかなあ、、、。」と言いながら、私がまた、カタログをめくりながら迷っていると、「ねえ、、、。 どんなのがいいとね?」と、おじさん。

私は、そうちゃんのベビーカーを指さし、「こういう、かわいいチェックの生地とかは、ないんですよね~?」すると、おじさんは、「んー、ない。 でも、、、もー、ちょっと、電話で聞いてくるけん、待っときー。」。

そう言うと、事務所に電話しに席を立った。

                                                              

それからしばらく事務所の人とやりとりがあり、おじさんは私のところへ来た。

「じゃーね、、、、。 チェックの生地、ないことはないとよ。 

でも、このバギーには、使ったことがないと。 

バギーには、この生地(あずき色や紺色や緑色、、、。)って決まっとうと。

でもね、、、今日は、仕方ない、特別よ。 このバギーだけ、特別、この中から選んでいいけん。 

他の人には、言ったらいかんよ。」。

「本当ですか~????」私は、そのカタログを見て、思わず、飛び上がった。

”こうでなくっちゃ~!!”

そのカタログには、チェックの生地のかわいいのがたくさんのっていた。

こんなステキな生地なら、これからそうちゃんと楽しくバギーを迎えられる!

そうちゃんのバギーは、紺の地に赤や黄色のチェック、まわりはワインカラーの淵どりに決まった。

                                                              

バギーが仕上がって、そうちゃんと一緒に受け取りに行った日。

私が行くと、おじさんは、遠くから私に、”おいで おいで”と手招きし、「いいのができたよ~! ちょっと来て! ちょっと来て!!」。

ジャジャジャーン!!

それはそれは、かわいいオシャレなバギーに仕上がっていたのだ。

最後に、おじさんは、また、「これね、特別やけんね、他の人に言ったらいかんよ。 

この生地つかったの、初めてやけん。  

でもね、このバギー、いい! これ、おしゃれやねー。 

こんなバギー、はじめて作ったけど、これはいいよ~!!

ね~っ!!」。

そのおじさんのクシャクシャの笑顔をみていたら、これまた、おじさんの好意にジ~ンとくるやら、バギーのできのよさにうれしいやらで、涙がホロリ。

                                                              

、、、、そんな、バギーを、今日、粗大ごみとして捨てた。

ごみ置き場について、バギーを横にしたら、「今まで、そうちゃんを乗せてくれてありがとう。」の気持ちと、「楽しい気分でバギーを押す事ができるようにしてくれた、おじさんにありがとう。」の気持ちで、なんだか胸がいっぱいになってしまった。。。

                                                              

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P.S.

みほさん、コメントをどうもありがとうございました!!

そっ、、、そうなんです!!

私の思いは、姉が(コメントで)すべて代弁してくれています(笑)!!

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そうちゃん」カテゴリの記事

コメント

ちはるさん、はじめまして
いつも楽しくブログ拝見しています
私の息子も4年生、そして「そうちゃん」なんです!
り香さんの本に「甥っ子のそうちゃん」がでてきた時から
他人とは思えないなあ~なんて思っていました(笑)
子供たちの思い出の品々を処分するときは、いつも悲しいような、すっきりするような・・なんとも言えない気持ちになりますね
我が家は転勤族のため、引越しの度処分するものを前に
うるうるしている私です。

投稿: うめ | 2006年12月18日 (月) 15時15分

ちはるさん、こんばんは。バギーを処分する時のよく気持ちわかります。私はお友達にあげたのですが、今までの汚れを雑巾で拭きながらいろんなことを思い出してけっこううるうるしてました。子供も思いいれがあったようであげたくないって半泣きになってりしてますます…。子供のものってもう使わないから邪魔~って思いながらいざ捨てるとなると複雑ですよね。ましてそうちゃんとの思い出がぎっしりつまったバギーですものね。今まで大活躍してくれたバギーと、もうバギーが必要ないくらいに成長したそうちゃんに拍手を送りたい気持ちです(^^)

投稿: まきこ | 2006年12月19日 (火) 00時04分

病院に通院すると、専用の装具をつけたりしている子どもたちをたくさん見ます。
ここ最近はオリジナリティがだせるような傾向になってきているのかカラフルだったり車輪がスマイルマークだったり・・・。
こういったものはほんの数年前までちはるさんがおっしゃるようなお決まりのものだったとたまたまお話したママが言っていました。
そうちゃん、そしてそれを押すちはるさんがうれしく使えたバギー、ご苦労様でした!

投稿: こころ | 2006年12月19日 (火) 01時02分

はじめまして。り香さんのお手紙を書いてらっしゃるページからこのブログに飛んできてからのファンです。私は3歳の男の子がいる主婦です。ちはるさんの日記を読んでいっしょになってせつなくなったり、色々考えたりしながら元気をもらっています。
これからも日記楽しみにしています(^_^)

投稿: きゃらうぇい | 2006年12月19日 (火) 11時35分

投稿: | 2012年3月 1日 (木) 22時39分

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