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そうちゃんの古着 ~その6

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そうちゃんが入園することになったのは、申込書の第一希望の欄に書いた、(申し込む前に一度電話した)家から歩いて5分の保育園。

エレクトーンのレッスンのために家に来てくれる子供は、初めは、二人だった。

はじめは、”そうちゃんのお昼寝の時間”をあてれば、よかったけれど、一人、また一人と、子供がふえるにつれ、そうちゃんはどうしても、途中起きてしまうように、、、。

なので、もうちょっと、落ち着いてレッスンできる環境をつくって、自分の世界を広げられたら、、、というのが、「保育園、、、だっ!!」と思った(保育園に申し込んだ)一つの理由。

                                                              

でも、理由は、それだけではなかった。

その頃、私は、そうちゃんのゆっくりとした成長をみるにつけ、そして、療育園に通っているという現実から、”そうちゃんに障害があること”をゆっくりと受け入れはじめているところだった。

”発達が遅い”という事実は、もっともっと前から認めざるをえなかったけれど、フシギと、いつもどこかで、”もしかしたら、奇跡が起きて、気づいたら、他の元気な子供に追いついていた、、、なんてこともあるかもしれない。。”という希望を抱いていたものだった。

ただ、もう、その頃には、そんなかすかな希望をも払いのけなければならない段階にきており、自分の心と向き合って、本当の意味で”障害がある”ということを受け入れはじめているところだった。

                                                              

そうちゃんに障害があることは、早くから、同じマンションの人や、いつも行くクリーニング屋さんのおばさんや、近所の八百屋さんや薬局のおばさんや、家に来てくれていた子供たちやお母さんたちには、言っていた。

けれど、いつも行っている美容院の担当の人や、通りがかりに、たまたまそうちゃんに声かけてくれた人となると微妙で、”まっ、ここは私のリラックスタイムを楽しむところなんだから、子供の事は聞かれるまで言わなくてもいっか、、、。”とか、”まっ、、、説明すると長くなるし、、、。”とか思って、自分の中で、うやむやにしていた。

最初は、”これでいいのだ。 いたずらに傷つくことは、今の私には、何のためにもならないんだから。。”と思っていた私だったけれど、だんだんと時がすぎ、そうちゃんも大きくなっていくにつれ、”果たして、、、こんなことでいいのだろうか”という思いに変わっていった。

そして、なんだか、どっちつかずの、あともう一歩ふみ切れない自分に、ジリジリしていた時だった。

                                                              

そんな時、市政だよりの”保育園児募集”の記事を目にしたのだった。

私は、その時、ここらで、ポーンと自分を大海原に放り出してしまった方がいいんじゃないか、という気持ちになった。

保育園には健康なお友達ばかり。

最初は、そのお友達の中に、ポツンと一人、障害のあるそうちゃんがいるのだから、きっと、ものすごく、悲しい気持ちにもなるだろうし、つらい気持ちにもなるだろう。

けれど、そうでもしなければ、私はずっと、こんな宙ぶらりんの気持ちでいるような気がして、そっちの方が、”もううんざりだ”という気持ちだったのだと思う。

保育園デビューは、”そうちゃんには障害があります”ということをみんなに知ってもらう、そして、何より、私自身が、覚悟をきめて、受け入れられるようになる絶好の機会だと思った。

                                                             

ただ、そうちゃんが保育園に入園できるなんてことは、思ってもみなかったので、入園通知が届いた時には、本当にびっくりした。

私が、保育園に入園できる事を家族に知らせると、家族も、それまで、「ちはる(私のこと)ちゃん。 話をきくかぎりじゃ、とてもとても無理そうねー。。」と、入園できるなんて、ちょっとも期待していなかったので、「こんなことってあるんだね~!!」と言いながら、キャーキャー喜んだ。

(いろいろとバランスを考えた結果、私は、療育園へは週に2日・保育園へは週3日通うことに決めた。)

                                                              

母・よしこは、保育園へ行くことに、「保育園のお月謝も払うことになるから、これから大変ね~。 

でもね、ちはるちゃん、時間はお金で買うものよ。 

そんなチャンスは、ないわよ。

 そうちゃんと離れてすごす時間が、ちはるには、絶対に必要だと思ってたわ。 

なんて素晴らしいことでしょう!」と言って、電話口でワンワン泣いていた。

姉も、「いや~、先生がそうちゃん一人のためについてくれるなんて信じられない!

 保育園に行けるなんて、ありがたいねー。 すごいよね~、すごい!! 

そうちゃんは、そうちゃん。 ちはるちゃんは、ちはるちゃんなんだからね。 

ちはるちゃん、エレクトーン、がんばってね!」とエールをおくってくれた。

ダンナさんは、「俺は、ちはるちゃんの好きなようにする事が、一番いいと思う。

 そうちゃんにとっても貴重な経験になるから、ぜひ保育園に通わせよう。」と言った。

で、ただ一人、父だけが、「そうちゃんは、今、ニコニコ笑顔で天真爛漫にまっすぐ育っているのに、保育園に行って、いじめにでもあって、せっかくそうちゃんがもっている、いいものを崩すことにはならないか、、、。

 パパは、そうちゃんが保育園に行く事は、手放しで賛成という気持ちにはなれない。」と、言った。

                                                              

でも、、、。

「パパって、意外と暗いよね~。」。

父の意見は、私たち女三人組(よしこ・姉・私)に軽くかわされ、賛成大多数、そうちゃん、保育園へ入園することに決定!

私に迷いはなかった。

だって、こんなチャンス、二度とないんだもの!!

次回へつづく

                                                              

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P.S.

haruさん・コパンさん・ciao!さん・sa-yu-riママさん・みほさん・レミさん・oxxsanさん・いづみさん・ちえさん、コメントをありがとうございます!!

そうちゃんのこの辺の話は、仲のよい友人でさえ、話す機会も時間も(会えば、ほとんどお互い”近況報告”でおわる感じで、、、。)なかった話です。

なので、私のブログを読んでくださり、コメントをいただくことは、とてもフシギな気持ちでもあり、そして、本当にうれしいです。

いづみさん。。弟さんの事を”親ではないので深刻な悩みもない”と言いきれる”いづみさん”に育ててくださったお母様って、すごいなあ、、、と思います。

私も、そんな風に、のびやかに(自分は自分の道を歩いていけるように)、長女と次男が育ってくれたら、、、と思っているんです。。

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そうちゃん」カテゴリの記事

コメント

そうそう。そうでした。思い出しました。そうちゃんが保育園に入れたときと、自分の娘が保育園に入れたときは、高校受験で受かったときよりうれしかったくらいでした。受験で落ちるも入るも自分の努力次第だけど、そうちゃんや自分の娘たちを入れてもらうには、ある一種、お祈りするしかありません。どの名門校に入るよりも、そうちゃんにとっては普通の保育園に入れるほうがすごぞ!!家族一同感謝感激したものでした。
いろんな子供たちを受け入れ、教えてくださっている先生方、すごいなあ、といつも思います。そうちゃんだけのために、様々なことをしてくださった先生もたくさんいました。世の中にはこんなに素敵な人がたくさんいる。いつも気づかせてくれているのはそうちゃんかもしれません。

投稿: り香 | 2006年12月 5日 (火) 00時31分

ちはるさんのコメントを見て、涙が出そうになりました。そうですね。母はすごいです。私ともうひとりの弟(次男)にはなんの心配もないようにしてくれています。(いろんな意味で) ちはるさんの日記を読みながら、母に対する感謝は絶対に忘れてはいけないなと思います。私は深刻な悩みを先延ばしにしてるだけなんです・・・
うちの弟は軽い障害(知的障害なので、運動能力は普通の子とそんなに変わらない)なので、同じ小学校、中学校に通っていました。年子でしたので、正直はずかしい時もありました。突然奇声を発したりするので。でも、たかがそれぐらいの悩みでした。
こうして思い返すまで忘れてました。
両親がどうやって学校と話をしたのかも全く知りません。私にはわからないように両親が気遣っていたんでしょうね。先生も受け入れてくれてたし、同級生の子たちはいじめるどころか、逆に優しかったです。
特に父はできるかぎり、普通の学校に行かせたいと思っているようでした。今は弟は30代ですが、家から障害者が通う作業所に通っています。ちはるさんが以前書いてましたが、これから先、どこかしら施設に入るときが来ると思うんです。いい施設、本当にあってほしい。あんまりないのであれば、一緒に暮らすことも考えないと・・・と考えるようになりました。

実は母とは弟についてじっくり話したことがありません。
こうやって書いてるだけで涙が出てくるんです。話すどころじゃあないです。母もそうだと思います。思い出すとつらくて話せないんじゃないかなぁ・・・

自分のことばかり書いてしまいました。すみません。
ちはるさんの長女ちゃんと次男君、きっとのびのびと育ってくれると思います。本当に。だって本当に素敵な人たちに囲まれているんですから。

ちはるさんがちはるさんの道を歩くことが何より大切だと思います。親が幸せだと子供は本当に嬉しいんですから!

投稿: いづみ | 2006年12月 5日 (火) 00時54分

ちはるさん、こんにちは。
障害を持つ子供の数だけ、ドラマがあるんだなあ・・・・と再認識しています。
私、以前は仕事で就学指導に携わったことがありました。はっきりいって、つらい仕事でした。
親御さんの気持ちと、受け入れる側(行政や学校など)が100%一致することはめったにないからです。
親御さんからきっとうらまれたこともあったと思います。
十分に親御さんの気持ちをくんで話し合い、納得してもらえただろうか・・・、今でもその頃のことを思い出すとき、心に苦い思いがこみ上げてきます。
今思い返すと、大切なのは子ども本人が幸せに暮らせることなのだろう・・・と思います。子どもが幸せになるためには、お母さんが幸せでなければいけませんよね。
ちはるさんの決断は勇気がいったと思いますが、素晴らしいことだと思います。
お父さんの、孫・そうちゃんを思う気持ちにもとても心打たれました。

投稿: ぱる | 2006年12月 5日 (火) 14時49分

興味深く読ませていただき、大変参考になりました。ささやかながら、「応援!!」ぽちっ♪

投稿: 月10万円の副収入を稼ごう | 2006年12月 5日 (火) 15時10分

ちはるさんのそうちゃんを養育園から保育園に入れるまでの、覚悟が、読んでてすごく伝わってきました・・。まっすぐに現実を受け入れることの、自分との葛藤は、とても計り知れないものだったと思います・・・。でも、ちはるさんのその一途な自分向き合おうとする思いが、周りの環境を変え、いい人に巡り合ったりと、その保育園との出会いもそう!!すばらしい出会いをつくっていくのだと思いました・・。
常にこれでいいのか・・・と悩み続けることが、人間としてより深い生き方をさせてくれるのかもしれませんね・・・。次回すごく楽しみにしています!!

投稿: haru | 2006年12月 5日 (火) 16時19分

親や家族のホントの優しさ・強さってこうゆうことなんでしょうね。いづみさんのコメントにもじんわり涙が・・・。
覚悟を決めて飛び出せるまでには、苦しい時期があったはず。。。なのに、しなやかで優しいちはるさん、素敵です。
私だったら「この子の権利が!」とか大騒ぎして、かえって皆に応援してもなえないと思います。
 ・・・続き、まっていますね。

投稿: みほ | 2006年12月 5日 (火) 17時47分

まあ世の中には同じような感性の持ち主がいるものだとうれしくたのしく読ませていただいています。長男に知的障害がありちはるさんとおなじ長女次男の三人の母です。いまでは次男も大学生です。わたしもいろいろ働きかけ長男を健康なお友達と公立幼稚園にお願いしました。自分の時間をもつこと下の子たちとの一対一の時間をもつことを考えたからです。今思えば地元にお友達を作ってあげられたこと私もいっぱいいっぱいにならなかったこと下の子たちとも向き合えたこと。間違ってなかったなと思っています。母も強くなるけど子供も強いです。長男は癒しの息子に、下の子達もべたべたすることなく思いやりを持って自分の目標にがんばっています。何より親が穏やかに前向きにいれば大丈夫。といつもおもっています。


投稿: hideまま | 2006年12月 5日 (火) 18時59分

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