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そうちゃんの古着 ~その5

前回ブログのつづき

 

いつもだったら、”ポイっ”と新聞の山の上に、目も通さず重ねる”市政だより”だったけれど、その日は、たまたま市政だよりが机の上にのっていたので、”ごほうび”を一人、ムシャムシャと食べながら、何とはなしにペラペラとページをめくって眺めていた。

すると、”保育園児募集!”の記事が目にはいった。

「保育園、、、、か。」 

「保育園、、、、ね。」

「保育園、、、だっ!!」

その記事をジーッと見ながら、私の中で、ゆっくりと語尾変化されていった。

 

でも、きっと申し込んでも、申し込む意味さえないほど、そうちゃん(長男・10歳・知的障害アリ)が保育園に入れる可能性がないことは、私も十分わかっていた。

地域によって、保育園の、障害をもった子供を受け入れる体制はまちまち。

私がその時住んでいた地域は、障害児を受け入れてくれる保育園はあった。

けれど、それは、どこの保育園でも、というわけではかった。

特定の保育園で、”障害児枠(障害児を○人受け入れます、というもの)”というのがあったのだが、それは、人数に限りがあり、狭き門だった。

 

で、しかも、保育園に入園できるのは、障害をもっているお友達の中でも、比較的障害の軽い子供ばかりだった。

障害の重い子供は、療育園で、その子供一人一人にあったきめ細かい療育を。 

健康な子供たちと一緒にすごした方が刺激があって、伸びると思われる(療育園のお友達の中では、ごくごく少数だった)障害の軽い子供は、幼稚園や保育園にうつっていくこともあった、、、という程度だった。

で、それまで、療育園か保育園か幼稚園か、いづれか一つだけを選択して通う制度から、ちょうど次の年度からは、”併行通園”といって、”療育園と保育園” ”療育園と幼稚園”など、組み合わせて通ってもいいですよ、という制度に変わることになっていた。

 

私は、まず、療育園の先生に相談してみたのだけれど、先生は、「そうちゃんみたいな(障害の重い)子供が保育園に入れた、、、っていうのは、聞いたことがない。。。」と言っていた。

家の近く(5分ほど歩いたところ)に、保育園があったので、とりあえず、保育園に、どんな感じか電話してみた。

すると、今現在、”障害のある子供”は、誰もいない。

それどころか、ここ数年、障害のある子供が入園した事はない、、、ということだったので、ますます望みは遠のいた。

”あー、やっぱり無理なんだあ、、、。”とは思ったけれど、それならば、なおさら、”ダメもと”と思って、締め切りも間近だったのでチャッチャと書類をとりよせ、サッサッサッと記入して、市役所まで持っていった。

 

市役所の担当部署を訪ね、受付カウンターにベビーカーをきしませながら(そうちゃんは、あと数ヶ月で三歳になろうとしていた。

まだ歩けなかったのでベビーカーに乗っていたけれど、体が大きかったので、ベビーカーは、もう悲鳴をあげていた。。)そうちゃんと向かった。

カウンターで申込書を渡してサッと帰ろうと思っていたのだけれど、ちょうどその時、係の方が全員電話中だったので、私はしばらく待っていた。

でも、なかなか電話が終わらなかったため、奥の方から課長さん(?)が出てこられた。

私が、その方に書類を渡すと、「あっ、、、。 お子さん、障害があるんですね。」と言い、”じゃ、ちょっと話を聞かせてください”ということで、奥の応接室に通された。

 

そこでいろいろとお話したのだけれど、そうちゃんを保育園に入れることは、ものすごくお金のかかることだということがわかった。

なんでも、全てにおいて介助を必要とするそうちゃんを保育園が受け入れることになるとしたら、そうちゃんだけのために”介助の先生”を一人、必要とするのだという。

(市としては、先生を一人増員しなければならない。)

その費用は、そうちゃん一人だけのためにかかってくるもの。。

ゆえに、市としても、(財政の問題があるので)非常に難しいことなのだ。

けれど、その課長さん(?)は、最後に、「ご期待にそえるかどうかはわかりませんが、私は、個人的に、お子さんが保育園に入れたらいいなあ、、、と願っています。 市としても、今の段階では厳しい状況ではありますが、なんとか力になれるように頑張りますので。」と言ってくださった。

 

、、、、と、なんと、それから、1ヶ月ちょっとしたころ、ポストに、保育園入園通知が!!

あの時は、ホント、びっくりだった。。

そして、ピョンピョンはねるほど、うれしかった。。。

次回へつづく

 

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P.S.

あかブーさん・haruさん・accoさん・ちえさん・kazuminさん、コメントをどうもありがとうございました!!

この、”そうちゃんの古着”シリーズ、長くなっております。

家族のあちこちから、”昔を思い出してつらくなる。。” ”まだ続くのか。。” ”そろそろ次あたりで終わってくれないか。。”という声が、ちらほらあがっております。

でも、あともうちょっと続く予定です。

よかったら、煎餅と緑茶を片手に、あともう少し、おつきあいくださいませ。。

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そうちゃん」カテゴリの記事

コメント

そうちゃん、、、保育園に!!!
す、すごい!サプライズですね!
どこまでもお付き合いいたします・・・。次回楽しみです(笑)

投稿: haru | 2006年11月30日 (木) 18時26分

古着シリーズ 毎回感動しながら読んでいます
そうちゃんが生まれてからの千春さんの積み重ねてこられた
貴重な体験が手に取るように伝わってきます。
私が知ることのなかった世界が苦しみが喜びが
世の中にはほんとにたくさんあるんだと気付かされ
身震いがする思いなのです。
是非是非に思い存分書いて行ってください。
応援しています。

投稿: こぱん | 2006年12月 1日 (金) 00時08分

wow ! ご入園おめでとう!
と もう過去のことなのに言わずにはいられないです~。
ちはるさんの、「ダメもとで」という心持ちがなにげに素晴らしいです。
周囲に「無理よ~」と言われても、
できる限りのことはあきらめずにやってみよう、という前向きな強い意思と、
ま、だめなら仕方ないか、という柔軟性のあるやわらかい感じがいいですね。。


お役所の方も、ちはるさんが目じりを吊り上げて
「うちの子には権利が!」とか「行政には義務が!」とかガンガン詰め寄っていたら
逆に、窓がどんどん閉じていったかもー?って感じます。


投稿: ciao ! | 2006年12月 1日 (金) 10時45分

先日は長々とすみません。
私も“昔”を思い出すとつらくて、封印してましたが、
“今”って、急に作られてるわけじゃないんですよね。
ちはるさんのブログやみなさんのコメントを読ませて頂いてると
本当に色んなことに気付かせてもらってます。
それに書くことって大事だなと思いました。
書くことで、改めて気付かされたり、思い出したり、自分自身を
認めてあげることができたり・・・
つらいことを思い出すこともあると思いますが、
“今のちはるさん”を作ったそうちゃんや家族のお話
ぜひぜひ読ませて下さい。
私もたくさんのこと教えてもらったり、気付くことができたりして
勉強させてもらってます。応援してます。


投稿: レミ | 2006年12月 1日 (金) 13時14分

もっと書きなさい。
確かに家族の方には思い出したくないことかもしれないけど
あなたの話で勇気づけられる人がいっぱいいるはず。

投稿: oxxsan | 2006年12月 1日 (金) 17時02分

つらいことは早く忘れたいと思いがちだけれど、時には思い出して、じっくり向き合うことってきっと大切ですよね。
いくら長くなってもかまわないので、どうかちはるさんの思いを全部書いてしまって「すっきり」してください。外に出すことで、何かが変わるんじゃあないでしょうか?(なんだかえらそうに書いちゃってますね。すみません)
私は弟が障害があるって話はなかなかできません。友人に話しても困った反応が多いし、親ではないので深刻な悩みもない。
中途半端な位置なので、いろんなことを見ないようにしているような気がしてます。ちはるさんの日記を読んで、母の気持ちを少しでもわかってあげられたら・・・と思います。

投稿: いづみ | 2006年12月 2日 (土) 09時37分

ちはるさんの気張らずに、がんばる、挑戦してみる姿勢って、とても共感できるし、私も見習わなきゃって思いました。

そうちゃん、保育園に入れてよかったですね!!
本来、税金ってこういう形で使われるべきだと思います。

次回、楽しみにしています。
いつまででもつきあいますよ~♪

投稿: ちえ | 2006年12月 4日 (月) 18時49分

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