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よしこの結婚 ~その3

前回ブログのつづき

缶の中の白い封筒をのぞきこむと、そこには、まぎれもなく、父の筆跡の手紙の山があった。

母・よしこは、「この手紙のせいで、九州に来ることになっちゃったのよ~!」と言っていた。

なんでも、父は、ニョロニョロニョロっとした字とは裏腹に、意外にも、なかなかの文才があったらしく、その美しい文章に、よしこはコロッときてしまったらしい。

(ちなみに、そのニョロニョロ文字、いつも見慣れているよしこでさえ解読できないことがあり、手紙が来ると、よしこは、よく、よしこのお兄さんのところへ飛んで行き、いっしょに訳しながら読んでいたらしい。)

 

遠くはなれてしまい、手紙をやりとりする二人だったが、結婚するに至っては、トントン拍子で事がすすんだわけではなかった。

なにしろ、よしこは、男兄弟の中の一人娘。

ことに、おばあちゃん(よしこの母)は、それはそれは、よしこをかわいがった。

”目に入れてもいたくないような、たった一人の娘が九州に嫁ぐなんて、とんでもない!!”と、猛反対にあったらしい。

(昔の東京と九州は、まだまだ汽車で行き来する時代。

その距離は、今とは比にならないくらい遠かった。)

父の美しい文章と、両親の猛反対の板ばさみになったよしこ。。

が、しばらくそんな時間がすぎ、とうとう、よしこの根気に負け、”じゃ、一度、九州に行ってみて、家族に会ってみよう。”というところまでこぎつけ、よしことおばあちゃん、さらには、スケットとして、よしこのおばちゃんまで一緒に加わって、いざ、九州へ。。

 

九州でよしこたちが来るのを待っていたおばあちゃん(父の母)は、お座敷で、「大切な娘さんを、本当に申し訳ありません。 決して、粗末にはいたしません。 どうかお願いいたします。」と、三つ指をついて、深々と頭をさげ、しばらく頭をあげようとしなかったらしい。

そのあたたかい言葉と人柄に心うたれたおばあちゃん(よしこの母)は、とうとうGOサインをだしたという。

 

その九州のおばあちゃん、結婚してからも、その言葉通りに、遠い土地からたった一人でやってきてくれたよしこに、本当にやさしくしてくれたという。

よしこが、九州のおばあちゃんの家に遊びに行くときは、必ず、「何時ごろ来るか、電話してね。」と言われた。

約束の時間に行くと、まずは、お風呂の用意がしてあり、「疲れたでしょう。 ゆっくり入ってね。」といってくれ、お風呂上りには、よしこのために作ってくれた手作りの丹前(着物)が用意されていた。

夕食の時は、必ず、新鮮なお刺身の鉢盛りが用意され、たくさんのご馳走が並んだ。

「よしこさん、座って。 座って。」というのが、おばあちゃんの口ぐせで、よしこを立たせて、手伝わせることすらさせず、遊びに行くたびに、旅館さながらの心ばかりのもてなしで迎えてくれたという。

その話をする時、よしこは、目にいっぱい涙をためていた。

目の前の手紙の山を前に、私は、その甘美な話に酔いしれた。

 

が、そんな話の中でも、もちろん、よしこ節は響いた。

「そうだわー、この手紙にママ、だまされたのよ~!」。

なんでも、父は、このニョロニョロ手紙の中で、”結婚したらテレビを買おう”とか、”ラジオを買おう”とか、そんなことを書いていたらしい。

が、いざ、結婚してみると、テレビもラジオもない生活だったので、よしこは、驚き、あきれ、ワンワン泣いたらしい。

(う~ん、まるで、吉幾三の”オラ 東京さ行くだ”の世界。。

後に、よしこは、この歌の歌詞を聴きながら、「これ! これ! まさにこれよー!!」と言っていた。)

「釣った魚に餌をやらない。」という慣用句があることを、私は、この話を聞いた時、ひとつ、覚えたっけ。。。

次回につづく

 

P.S.

”アイスクリーム”のことを”アリスクムーリ”と言う娘(長女・3歳)。

今日もまた、アイスクリームを食べながら、そう言うので、一緒に練習していたら、、、。

私までわかんなくなってきちゃいました。。

 

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母・よしこ」カテゴリの記事

コメント

ちはるさんお久しぶりです。バタバタしていて最近なかなかコメントが出来ずごめんなさい。けれど、ちゃんと読んでいたしクリック!していますよ~^^: おかあさまのよしこさん、本当に楽しい方ですね!うらやましく拝見してます。うちの母はちょっと神経質で心配性なのでそのおおらかさとユーモアがとってもうらやましいです。そうそう、子供のそういういい間違い、かわいいんですよねぇ。うちもコチョ、おかさな、おずみ(お水)、等さかさま言葉が多いですよ~。

投稿: 桃の木 | 2006年10月10日 (火) 08時26分

あ~、わかります、その慣用句。
うちも、「釣った魚にエサはやらない」ですもん。

うん、エサ、もぅた覚えもないし、やった覚えもない。
お互いの誕生日には、プレゼントの1つも無い。

そんなもんでしょ♪

(桃の木さん、初めまして!
 うちの娘もちっちゃい頃、ずっと「おかさな」言うてました!
 うわ~、懐かし♪)

投稿: ある。 | 2006年10月10日 (火) 11時02分

両親の馴れ初めって、子供にとって、とても興味があるんですよね。
ちはるさんのお父様はとっても情熱的だったのでしょうね。
私も、ダンナ様には情熱的に口説かれたのになあ。
今は、その情熱はどこへ.......!!
うちの子にも、よしこさんの様に、自分たちの馴れ初めを話してあげる日がくるのかなあ。
今度はちはるさんの馴れ初めの話をききたいです。
よろしく、お願いしますねー!!

投稿: ちはる2号 | 2006年10月10日 (火) 11時21分

あはは~!ちはるさん。
うちは長男3歳、「テベリ」、って言います。
テレビのことです(笑。
そうなんですよ、ふざけて使ってると、どっちが
正しいんだか、分かんなくなりますよねぇ~!!

投稿: ゆきべ | 2006年10月10日 (火) 15時48分

主婦が寄って口を開くと姑の悪口、不平不満、義理家族との違和感を耳にする私達世代ですが(ちはるさんは違うね!)
よしこママとお姑さんの心温まるお話、素敵だなー。。と思い感動しました。

お姑さんの一生懸命な愛情に応えたよしこママも、素直で心豊かな方ですね。

このごろでは母世代も「賢く?」なって”お金は出して口は出さない。”なんて言っていますが、なんだか寂しい関係ですよね。


投稿: ciao ! | 2006年10月10日 (火) 17時11分

ちはるさん、こんにちは。
よしこさん、本人不在で存在感は横綱級と、ず~っと思っておりましたが、お父さんも、かなりインパクトのある印象を与えますねぇ。
次回がとっても楽しみです。

アイスクムーリのお嬢さん、愛らしいことこの上ないですね。
うちのチビは(三歳・オトコ)、「仕方がない」を「したかがない」と発音します。とても言いづらそうなので、実に不憫です。

投稿: 豆粒太郎 | 2006年10月11日 (水) 03時31分

はじめまして!

心温まる御家族とちはるさんの巧みな文章に、いつの間にか引き込まれてました。

恥ずかしい話ですが、僕は母とあまり仲が良くないので、よしこさんと御家族のようなお母さん像って言うか家族像はすごい憧れです。

今後の展開?も楽しみにしてます♪

投稿: がつう | 2006年10月11日 (水) 06時24分

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