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よしこの結婚 ~その4

前回ブログのつづき

昔,”マッチ売りの少女”の本を私たちに読み聞かせしてくれては、最後のクライマックスで泣くのは、いつも、私たちではなく、母・よしこだった。

(本にはレコードがついており、レコードも、何回も針がとぶほど、よく聴いた。

「マッチー、マッチー、マッチはいかが~。 おじさーんいかが~。 おばさーんいかが~。 とってもよくつーくーマッチでーすー。」というメロディーが、今でも私の頭にやきついてはなれない。)

”マッチ売りの少女”の話は、本当に何度よんでも、悲しく、かわいそうな話だったが、あんまり、いっつも同じところでよしこが泣くので、私と姉は、その場面のちょっと前あたりから、目配せをして、クックックックッ、、、。

一番かわいそうな場面にあわせて、不覚にも、ガッハッハッハー!!

大声で笑っていた。

 

で、これと同じで、よしこが必ず、泣く場面があった。

それは、東京へ里帰りした帰りの寝台列車の中。

東京駅には、いつも、おじいちゃんとおばあちゃん(よしこの両親)が見送りに来てくれた。

「元気でね、、、。 体に気をつけて!!」 

「また遊びに来てね~!!」

そう言って、口をパクパクさせるおじいちゃんとおばあちゃんに、列車の中から窓越しに手を振る。

ガッタン、、ガッタン、、、ガッタンガッタンガッタンガッタン。。。

列車が動き出して、おじいちゃんたちが小さくなっていく、、、その時。

よしこを見ると、ハンカチで目頭を押さえ、シクシクと泣きだす。

これは、里帰りするたびのことなので、”ここからよしこが泣きはじめる”という事は、”マッチ売りの少女”の時と同じく、読めていることだったが、、、、笑えなかった。

 

子供ながらに、よしこの切ない気持ちが伝わってきて、姉と二人、なんとなく床に目を落とし、私たちは、ジッと押し黙った。

しばらくすると、よしこは、きまって、こう言った。

「なんてママ、親不孝なのかしら、、、。 あんなにかわいがってくれたのに、、、反対をおしきって九州になんてお嫁に行ってしまうなんて、、、。 おばあちゃんたちには、本当に申し訳ないことしたわ、、、。」。

この言葉がでると、私と姉は、待ってましたとばかりに、きまって、こう言った。

「ママ、また、お正月になったら、東京に遊びに行こうよ。 そしたら、おばあちゃんに会えるから。 また、すぐに会えるよ。」。

すると、よしこは、「そうね、、、。」と言って、今度は、人目もはばからず、ハンカチがクシャクシャになるほど泣いた。

そう言ったあとは、またしばらく(かなり長い時間)、列車のガタガタッガタガタッという音だけが響いた。

ようやく、夕食時になり、食堂車にごはんを食べに行く頃には、よしこの目は真っ赤にはれあがっていた。

 

寝台車に一泊して、夜が明けると、列車はまた、私の見慣れた風景のある駅へと運んでくれた。

「まもなく、博多に到着いたします~。」。

車掌さんのアナウンスが流れると、よしこは、フーッと大きなため息とともに、「あー、、、ついちゃったわね、、、。 帰ってきてしまったわ。」と、窓の外の景色を眺めながら、自分に言い聞かせるように言った。

 

家につくと、いつも、父は仕事に行っていて、だれもいなかった。

私たちが帰ってくる日、家の中は、整然と、、、とまではいかなかったけれど、朝、サッサカサーと、父が片付けた形跡はみられ、だいたいきれいにしてあった。

が、洗濯物は、私がもし、あの上にあと一枚、タオルでも重ねようものなら、ドドドーッと山がくずれるぞ、、、というほどたくさん、積み上げられていた。

そして、なぜか、台所には、数匹のショウジョウバエが飛んでおり、ブーンブーンブーンという声とともに、私たちを出迎えてくれた。(恒例)

私は、それを見て、”あっ。 ショウジョウバエが、またいる!”と、単純に思った。

あと、ブーンブーンがいることは、父が、私たちが留守にしていた長い間、何らかの形でごはんを食べ(お料理なんてできないので)、なんとか今日までしのいで生きてたんだな、、、という証のような気がして、なんだかホッとし、”パパ、元気だな。。”とも思った。

が、よしこにとっては、そのショウジョバエのお出迎えは、”許しがたい事”らしく、「あーあ、、、なんでショウジョバエがいるのかしら~。 ママが留守にすると、いつもこうなんだからー。 あーあ、、、これを見たら、本当、九州に帰ってきてしまったって感じがして、なんだかゾッとするわ~。」と、まずはぼやいた。

それから、「どーして、ママ、こんな遠くにお嫁になんて来ちゃったのかしらー。。 」と、”ショウジョバエ”から、話は複雑に発展した。

次回につづく

 

P.S.

”よしこの結婚シリーズ”、、、長くなっております。

そろそろ、「いったい、いつになったら終わるのよ~!!」と、よしこからクレームがきそうで、、、こわいです。。。

 

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母・よしこ」カテゴリの記事

コメント

里帰りの涙は、わかるような気ぃします。
あたしは実際に泣いたりはしませんケド
たま~~にしか、やっぱ帰るコト出来へんので
帰り間際、あたしの母の目が、いっつも潤んでますもん。

それ見たら、なんかこっちまで、泣きそうになるんです。
でも、実際はダンナも一緒の帰省ですから
そんなトコ見せようもんなら
「ほんなら、一緒に帰らんでええ!ココにおれ!!」
言われんの、目に見えてますから。

て、愚痴になってまいました^^;
失礼しました~。

投稿: ある。 | 2006年10月12日 (木) 14時30分

同じく実家が遠い私もよしこママのお気持ちがよ~く
わかります。 今でこそ新幹線や飛行機があっというまに
東京~大阪間を行き来していますが子供が中学生ともなると
帰るに帰れなくなってしまい実家に2年も帰っていません。(涙)

先日東京にちょっと用事で出かけ新大阪行きの新幹線を見たとたん涙うるうるしてしまい目を上に向けて歩いていた私。
とっても変!?だったかも(笑)

ちはるさん、いつも楽しく読ませていただいています。
子供の言葉っておもしろいですよね。
うちの子供寝ることを『ゴーン』 自分のことを『がっこぅ』と
言ってました。 親にしかわからないですよね。
あと、『かっぱえびせん』は『ぱっかえびせん』でした。

投稿: sa-yu-riママ | 2006年10月13日 (金) 07時43分

そうなんですよね。昔、博多は遠かったんです。
うちも昔トーサンの仕事で久留米に住んでたんですが、
私を産むとき、2コ上の兄を連れて、ガッタンガッタン電車で
関西へ帰るのが大変だった~、、、って母がよく話してました。

よしこさん、かわいいですね。マッチ売りの少女の話は
寒さや寂しさがなんだかリアルで、私も子どもの頃
読むたびに「。。。」って無言になってました。

「よしこの結婚シリーズ5」はあるのかな? 楽しみにしてます~♪

投稿: あかブー | 2006年10月13日 (金) 10時05分

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