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母の強さ(3/3)

前回ブログのつづき

                                                        

そういえば、母・よしこの強気な発言で、もうひとつ、思い出に残っている事がある。

それは、いったん退院したそうちゃんが、また、入院しなければならなくなった時のこと。。

                                                         

そうちゃんは、いったんNICUから退院し、家にもどってきたものの、依然として、呼吸が速く、苦しそうだった。

で、退院から数日後、家で寝ていたそうちゃんは、次第に、”ハアー、ハアー、ハアー、ハアーーー”と、呼吸が苦しそうになり、ものすごく息づかいが荒くなった。

ちょうど、私のダンナさんは、出張に行っており留守だったので、家には、私とよしことそうちゃんだけだった。

そうちゃんのあまりの様子に、”救急車を呼ぼうか、、、。”と、よしこと二人でオロオロして、一時は迷ったけれど、やっぱりもう少し様子をみて、朝一番で病院へ行こうということになり、その日は、よしこも私も、そうちゃんの横に付き添い、一睡もできなかった。

明け方、もう、あんまり心配だったので、とりあえず、病院に行った方が安心だという事になり、タクシーをよんだ。

東京といっても郊外の私の家から、都心にある病院へ、中央自動車道を走って行った。

                                                        

診察が始まる時間まではかなりの時間があったので、私たちは、診察室前のイスに並んで座り、ずっと待った。

そして、ようやく診察の時。

先生に診てもらうと、「、、、まあ、様子を見て、、、ということで、今日は家に帰ってください。」とのことだったので、私とよしこは、ひとまず安心して、立ち上がり、診察室を出ようとした。

私が何気に後ろを振り向くと、もう一つの入口から他の先生が診察室に入って来て、何となく診察室はざわめいていた。

と、その時、「ちょっと待ってー!」と、先生の大きな声で、私たちは呼び止められた。

「ちょっと、、、今、血液検査の結果がでて、見てるんですけどねー、、、異常にCRP(炎症反応)が高い。 熱もあるでしょ、、、。 今日、これからすぐに、入院してください。 感染症にかかってるおそれがありますから。」と、ひとこと。

いろいろと説明を聞いた後、先生は、「今日から入院してもらう小児病棟は、24時間付き添いしてもらうことになっているので、今日、これから入院に必要な荷物を取りに帰ってもらって、今日から、お母さん(私のこと)、泊まってください。」と言った。

                                                        

まだ、そうちゃんは、NICUを退院して、数日もたっていなかったので、私は、”えっ、、、また入院???”と、愕然としていた。

すると、ここで、よしこは、スックと立ち上がり、、間髪いれずに、先生の目をまっすぐ見ながら言った。

「先生。 この子(そうちゃん)は、今からすぐに入院させますが、今日は、この子(私のこと)は、病院には来れません。」

先生は、”????”という顔をして、「えっ?」と言うのが精一杯だった。

すると、よしこは、「娘は、帝王切開で赤ちゃんを産んで、まだ半月しかたってないんです。 まだ、もとの体には、なっていないんです。 今までも、この子(そうちゃん)が入院して、本当に大変な思いをしているんです。 ですから、せめて、今日だけは、ゆっくり休ませたいんです。 明日の朝、荷物をもって病院へ来ますので。」と言った。

先生も、まわりの看護婦さんも、”なんだって~??”という顔をして、サッと、よしこに注目。

先生は、「24時間付き添うというのは、決まりなんです。 だから、それは困ります。 今日、来てもらわないと。」と、カルテに書き込む手を休めて、言い放った。

険悪な雰囲気になってきた。、

先生は、最後には、ちょっとお怒りの様子で、”べつに、うちの病院じゃなくても、いいんですよ。 病院変わってもらってもいいんですよ。”と、ハアーハアーと苦しそうに呼吸するそうちゃんを前に、プロらしくからぬことまで言っていたので、うひょ~!

私は、その言葉にびっくりあきれ、そっちに気をとられていたが、よしこは、それに対してはひとことも言わず、ただ、「じゃ、明日の朝、必ず来ますので。 どうぞよろしくお願いします。」とだけ言い、ここでも、なかば、押し切るかたちで私たちは病院を後にした。

いや~、あの時のよしこは、強かった。

誰にも”NO”と言わせない気迫があった。

                                                                   

確かに、その日の朝、タクシーを飛ばして、片道1万円ちょっとかかったのだから、病院と自宅は、決して、サッと帰って、スッともどって来られるような距離でもなかった。。

それにしても、今でも、この時の事は、昨日の事のように、はっきりと覚えている。

当時は、なんだかピンとこなかったけれど、何を言われても、私のことを体をはって守ろうとしてくれたよしこの事は、時がたつにつれ、私も子供を育てるようになって、なお更に、ひときわ鮮やかな思い出として、今なお、色濃く心に刻まれている。

なんとしても、子供を守ろうとした、よしこの凛とした強さを目の前にみたのは、「外食にいってきます。」と言ったあの時とこの時が初めてだったのだから。。。 

                                                             

 P.S.

そういえば、今だから笑えることなのですが、そうちゃんがNICUから退院して、家にもどってきていた時の事。

私がお風呂に入って髪を洗っていると、「キャー!! ちはるちゃん、どーしよ~、、、。 ちょっと、出てきて! 早くーーーー!! ちはるちゃん、そうちゃんがー、、、そうちゃんが大変なことになってしまったあー!!」と、よしこの絶叫が!!

私は、とっさに、イヤな予感がし、泡ぶく頭のまま、はだかのまま、リビングへ突っ走った。

すると、よしこが、泣きながら、「そうちゃんが、、、そうちゃんが、、、息してないのー!」とうずくまり、しぼり出すような声で言うので、私も混乱。

泣きながら、そうちゃんをゆすってゆすってゆすって、、、。

、、、でも、よく見ると、そうちゃんの胸がぺッコンぺッコンと膨らんだりしぼんだりしているではありませんか、、、。

それに、耳をすますと、スースーという小さな寝息が聞こえるではありませんか。。

「そうちゃん、、、、息してるよ、、、ね、、、? してるよね?!」と私がよしこに詰め寄ると、「、、、、。 あらやだっ! ちゃんと息してるわね。 あら、ちはるちゃん、ごめんなさいね~!」と、よしこ。

あの時ほど、驚いた事も、そーはない。

けれど、寝息が小さくて聞こえないというのは、そうちゃんにしては珍しかったのだ。

そのくらい、ハアーハアーと苦しそうに、息をしていたあの時のそうちゃん。。

私とよしこは、うっかり者なので、この手の話は、いくらでもころがっています。。。

                                                       

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そうちゃん」カテゴリの記事

コメント

「食欲」と「食育」
行正家はおかあさんに代表されるようにとても生命力の強い家系とお見受けします。母は強しといいますが、代々受け継がれているようで・・・頼もしい。
その生命力の根源はきっと「食欲」にあると私は思います。悲しいことも辛いことも、おいしいものを食べると一瞬消し飛んでしまうのは行正ファミリーの旺盛な食欲のおかげでしょう。牡蠣フライや豚肉の梅紫蘇巻きのエピソードがそれをよく物語っています。お子さんたちもみんなよく食べるようですね。
おねえさんのり香さんは最近「食育」の大切さを強調していますが、食欲がなければ食育も成り立ちません。本当においしいものをたくさん食べたいという正しい食欲を守るためにも、おねえさん、料理本をたくさん書いてくださいよ。それが未来の子供たちへの最良の食育ですから。

投稿: oxxsan | 2006年8月15日 (火) 11時26分

退院して、また入院。。お辛かったですね。
病院の一方的なポリシーに縛られず、
臆せず行動され、
お子さん(ちはるさん)を守られたよし子ママはすごいです。
それにしてもその医者、
「他の病院に行ってもらってもいいんですよ」なんて酷い
せりふがよく吐けたもんだ~!

それにひるむことなく病院をあとにした、お二人。
病院の都合だけではなく自分達の事情もあるんだという主張を貫かれたこと、尊敬しますよ。

言うままではなく、みんながこんなふうに声をあげていくと病院も変わらざるをえなくなるでしょうしねー。


投稿: ciao ! | 2006年8月15日 (火) 11時59分

うちの母見てて思いますケド
子供は、いくつんなっても子供なんですよね
親にとって。

ずっと、心配かけてばっかで申し訳ない思うのに
親孝行できません。
先に逝くコトだけは、せんようにせんと・・・。

投稿: ある。 | 2006年8月16日 (水) 07時11分

ちはるさん、お久しぶりにコメントさせていただきます。
ちはるさんを守るお母さまの姿勢のしなやかな強さが響きました。
うちのそうちゃんがあわただしかったとき、やはり私も母に守られていたと思います。
そしてその渦中に「あー、私はそうちゃんを守る。母は私を守る。親子ってこういうもんなんだなぁ。」と疲れて働かないアタマで思ったことを思い出しました。

そして病院に通う日々、ちょっと自分の中に風が入りこんでくると、「あ、私のまわりって今までみたいに普通に時間が流れてたんだ。」なんて気付いたりするものですよね。それがなぜか不安になったり、ほっとしたりもしたりするんですけれど・・・。
お姉さまのお弁当のお話もそうでしたが、やっぱりちはるさんからはいつも家族について改めてかんがえさせてもらえます。
ありがとうございます!


投稿: こころ | 2006年8月19日 (土) 17時31分

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