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突飛な発言

今回まで、小児病棟・そうちゃんの病室より。

(なにしろ、いろいろな出来事がありすぎて、書き出したらきりがありません。

また、古い陰気な病室話は、追々、お届けいたします。)

 

そういえば、そうちゃんが、NICUに入院している時、初めて、担当医から、「ちょっと ご両親にお話したいことがあります。」と言われ、私たちは(私とダンナさん)、先生の部屋へ呼ばれた。

【そうちゃんは、初め(生後すぐ)は、マルファン症候群という病気を疑われていた。

(後に、ソトス症候群と判明。)

そうちゃんは、生まれた時、3986gとビッグだった。

そして、手足が他の赤ちゃんに比べ大きく、心臓も悪いという事もあり、その病気が浮上したらしい。

その、マルファン症候群という病気は、”弱視”というのも、特徴的な事のうちの一つとしてあげられるらしかった。】

 

先生の部屋に入り、私たちがイスに座ると、先生は、ゆっくりと黒板に向かい、”染色体異常”という文字と、”弱視”という文字を、白いチョークでザザッと書いた。

そして、先生は、私とダンナさんの二人を見ながら、静かに言った。

「あのー、、、一つお尋ねしたいんですけれども、お父さん、お母さんのご家族・家系の中で、弱視の方はいらっしゃいますか?」

私たちは、お互い、顔をみあわせた、、、。

”えっ。。 弱視??”

 

少し間があいたが、沈黙を破ったのは、私の方だった。

「はい、、、。 おります。 父が、、、父が弱視です!」

(そう答えた瞬間、隣にいたダンナさんが、ビクッとして、イスをゆらした。

そして、私のことを、なにかとても不思議なものを見るような、のぞき込むような目つきで見ている視線を感じた。)

その医師は、「そうですかー? 弱視の方がいらっしゃる?! お父様がっ??」と言って、”それは、一歩、マルファン症候群確定まで近づけた!”とばかりに、目をキラリとさせた。

私は、その先生の問いに、ウンウンと大きくうなずき、”はい、父が。。”という意思表示をしたが、隣にいたダンナさんは、少し慌てて、私をつっつき、言った。

「弱視? お父さん? はっ? 誰のお父さん?」、、、ダンナさんは、それは初耳だとばかりに、目を白黒させている。

私は、「パパ、パパ。 私のパパ。」と、医師の手前、小さな声で口早に、ダンナさんに言った。

すると、「ちょっ、ちょっと、、、。 お父さん、弱視じゃないやろー。。」と驚いたような、あきれたような顔をして口をとんがらせた。

私は、ダンナさんを見ながら、「えっ、知らなかった? パパ、弱視よ。」と、これまた小声でスッパリ言い切った。

そのやりとりを目の前にして、医師は、”???”という、”どちらを信じてよいのやら、、、。”というような、ポカンとした顔をしていたので、私は、「牛乳瓶の底のような、度のきついメガネをかけているんです。 父は、メガネなしには、何も見えないんです。 先生、父は、間違いなく弱視です。。」と言った。

が、医師は、「はっ、、、メガネ、、、?? それは、、、単なる近眼のことを言っているので、、、しょうか。。。 お父様、、、弱視では、、、なさそうですね。。。」と、ひどく残念そうな顔をした。

(ダンナ、大きくうなずく。)

 

そう、私は、近眼と弱視とをカンペキに混同させていた。

後に、ダンナさんは、「あー あの時ね、、、。 突然、何を言い出すかと思って、あれは、ハッキリ言って、ビックリした。」と言っていた。

でも、あれは、ほんの氷山の一角で、私の言動は、いつも突飛なことの連続、、、らしい。

 

”突飛”、、、と言えば、母・よしこ。

そうちゃん入院中、ちょうど、私・姉・よしこの三人で病室にいた時のこと。

よしこは、前フリなしに、突然言った。

「ねー、ちはる(私のこと)ちゃん。 り香ちゃん(姉)と二人でサーカスにでも行って来たら?」

あまりに唐突だったので、さすがに私と姉はビックリした。

頭の中で、”はっ、、、?? サーカス、、、サーカス?、、、サーカス?!”

私は、”サーカス”の意味がわからなくなっていた。

サーカスって、まさか、ゾウやサルがでてきて、ボールにのったり、綱渡りしたりする、あのサーカスのことではあるまいな、、、?

私は、一応、確かめた。

「サーカスって?」

よしこは、「サーカスはサーカスよー。 小さい頃連れて行ってあげじゃないのー、覚えてないの?」とサラリと言った。

「ボリショイサーカスね、、、そりゃ覚えてるけどー、、、。 あのサーカス?」、、、と、私。

「ねっ、行っていらっしゃいよー。 今、すごいサーカスが来てるって、地下鉄のポスターで見たわよ~。」、、、と、よしこ。

私と姉は、プーッと笑い、「こんな時に、サーカスに行く人なんて、さすがにいないでしょー?」 「ねーっ!」と言った。

が、よしこは、まこと、真剣だった。

「あらー、サーカスはいいわよー! こういう時こそサーカスよっ! 胸がスーッとするんだから! 行っていらっしゃいよー。 気が晴れるわよ~!」

そっ、、そうだろうか、、、。

こんな時にサーカス見に行って、”へっへっへーだっ! ってやんで~!!”と気分晴れやかに、パーッと明るくなれるものだろうか、、、。

、、、むろん、私たちは、それはいくらなんでもムリだろう、、、という結論に至り、結局、病室からサーカスに出かけることはなかった。

 

後に、”ひどく落ち込んでいるときは、パーッと華やかなところに出かけたり、明るい音楽をきいたりするより、むしろ、家で、ベートーベンの”運命”(ジャジャジャジャ~ン、、、のあの曲)など、その時の自分の気持ちにシックリあった音楽をきいて、とことん暗くなった方が、落ち込んだ気持ちはフワッと楽になる、、、。”というようなことを、テレビでやっていた。

う~ん やっぱり、、、そっちの方が正しいと思う。。。

 

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P.S.

”友情出演、、、”にコメントたくさんいただきました。

姉と二人で、「読んだ?」 「読んだ?」、、、と言っては、「うれしいねー。」「うれしいねー。」と、ここ何日か、長電話になっております。

どうもありがとうございました。

 

 

 

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そうちゃん」カテゴリの記事

コメント

ひどく落ち込んだときにサーカス・・・うーん、私も一瞬行きそうになって「・・・って、オイ。」とつっこんじゃいそうです。
そういういろんなベクトルに向かえる発想が、ちはるさんのおかあさまの楽しく優しいパワーの源のひとつなのですね♪


投稿: こころ | 2006年6月17日 (土) 22時25分

こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いております。
とても素敵なご家族の、心あたたまるお話ですね。
豚肉のしそ巻きのお弁当も、教えて頂いてうれし
かったです。よし子さんも、ちはるさんも、お姉さんも
すごく優しくて、楽しい方なんですね。わたしも
そういう懐の大きい、お母さんになりたいです。

投稿: みゆき | 2006年6月18日 (日) 19時04分

ちょっとごぶさたしている間に、ついに直接介入してきましたね、姉り香が。常日頃、おねえさんは妹が行正家のエピソードを公開するたびに「憧れのお料理作家 行正り香」のイメージがどんどん壊れていく(現実に近づいていく)と言ってましたが、「しそ巻き」ですごく株が上がったようですね。レシピ投稿はきっとイメージアップの御礼ですよ。
り香ねえさんのお料理本をまだお読みになったことのない読者の方々に向けて、一ファンとしてPRを一言。
行正り香のお料理本は普通のお料理本と違って、レシピとにらめっこしながら作るような料理は載っていません。著者のアバウトな性格を正確に反映して、ある程度「勘」で作っていける料理の「こつ」が書いてあります。事実、著者は自宅に友人を招いて食事をする時も、キッチンに籠もることなく、話し、かつ飲みながらお料理しています。だからレシピだけじゃなく、ワインや音楽までお奨めメニューが付いてます。親しい人と一緒に食事を楽しむための人のお料理本です。ぜひ、お試しあれ。

投稿: oxxsan | 2006年6月19日 (月) 14時40分

>だからレシピだけじゃなく、ワインや音楽までお奨めメニューが付いてます。


oxxsanさんのこれ、に一票です!
たまに持っているCDが同じだったりすると、なおうれしいです。


>ちはるさん
>私は、近眼と弱視とをカンペキに混同させていた。


今日も受けました~♪
ひそかに
ちはるさんのブログが一冊の本になったらうれしいです。

投稿: keiko | 2006年6月20日 (火) 13時55分

はじめまして。
今年春から、読ませて頂いています。家にもソトスの娘がいて、細々とソトスの事を知って欲しくてサイトなどやっています。そのサイトの中で同じ個性のお子さんのママ達のHPやブログを紹介させて頂いているのですがこちらも是非紹介させてください!!唐突なお願いで申訳ありませんが前向きにご検討願いますm(_ _)m

投稿: j-mama | 2006年6月20日 (火) 23時17分

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受信: 2006年6月18日 (日) 04時02分

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