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誕生日

今日は、そうちゃん・10歳の誕生日。

 

”よく、ここまで成長してくれたなー。”という気持ちと、”よくぞ、私を、ふりまわしてくれるなー。”という気持ちと、半々ではあるけれど、まずは、10歳を元気に迎えられたことが、何より、うれしい。

そして、この10年という節目を迎え、これまでを振り返るにつけ、なんだか、感慨深いものがある。

今でこそ、”せめて、一日26時間になればなあ。。。”と思うほど、一日がビュンと、あっという間に過ぎてしまうけれど、そうちゃん(息子・10歳・♂・知的障害アリ)が生まれてから2~3年は、長かったなあ。。

”これから、そうちゃんは、どんな風になっていくのか。”、、、さっぱり、見当もつかなかったし、”私は、どこに向かって進んでいけばよいのか。”、、、これまた、さらに、わからなかった。

そうちゃんの、あまりに、ゆっくりで、とまっているかのような発達ぶりをみるにつけ、漠然とした怖さと、空虚な気持ちが、私の中に漂っていた。

(発達の一つ一つが遅く、1歳になっても、お布団に寝ている、そうちゃんは、まるで、大きなお人形を寝かせているようだった。

ただ、仰向けになって、首を左右には動かせるものの、寝返りさえ、うてなかった。)

 

いったい、この先、私は、お腹を抱えて、心の底から、ガハガハと笑える日が、再び訪れるのだろうか、、、とよく思っていた。

その頃は、まったく、白黒の世界になった時期だった。

緑の葉っぱも、青い空も、赤い夕焼けさえ、色を失っていた。

なんとか、そうちゃんの障害を受け入れなくっちゃと、焦っていた時期とも重なる。

一日を終える頃には、しっかりと、そうちゃんの事を、受け止めた気持ちになるのだが、一晩寝ると、きれいさっぱり忘れてしまい(それまでは、イヤなことがあっても、一晩で忘れられるので、それが、私の最大の長所と思っていたのに、それが、裏目にでたのですねー。)朝、横で、そうちゃんが、スースー寝息をたてて、気持ちよさそうに寝ている、平和な顔を見て、”あっ、、、。夢じゃなかったんだ。。。そうちゃん、障害があるんだ。。。”と、思い出す瞬間、ハッと現実に引き戻される瞬間が、たまらなく辛かった。

 

親というのは、ハタから見て、お世辞にも、かわいいとは言えなくても、また、とても利口そうに見えなくても、赤ちゃん時代だけは、期間限定で、”えーっ。。うちの子、かなり、かわいいんじゃない?”とか、”ものすごく賢そうだよねー。将来、何になるのかなー?”などと、たとえ、勘違い、はなはだしかったとしても、唯一、夢見れるのがこの時期だ。

なのに、傍らで、横になったままの、本当に安らかな顔をした、そうちゃん。。

希望に満ち満ちたはずの将来が、ばっさりと寸断されてしまったように思え、そのことが、ただただ悲しく、そして、なんて残酷な事だろうと思った。

 

そんな時、父が、「子供は、天からの預かりもの。 だから、そうちゃんを預かったと思って育てなさい。」と、言ってくれた。

赤ちゃん、、、とかく、その子が病気となると、ますます、自分と子供は一体であるかのように、思いがちだが、その言葉のおかげで、”そうちゃんは、そうちゃん。” ”私は、私。”と考えるようになった。

だから、私は、事はじめに、そうちゃんが、お布団に横たわって、動かないでいてくれる事をいいことに、そうちゃんを部屋の隅に寝かせ、自宅で、ピアノやエレクトーンを教え始めた。

あの時の私には、没頭できる、自分だけの世界があることが、何よりも必要だった。

(そうちゃんも、その時期、私が、子供たちに教えた曲を、今でも、すべて、覚えていて、ハミングできる。)

そして、何より、”なーんだ、、、。預かってるだけかー。”と思うと、とたんに気が楽になった。

そして、大切に育てようとも思った。

本一冊、例にとっても、自分のものだと、乱雑にあつかったりするが、預かりものは、大切にしなくっちゃ、、と思うものだ。

 

それにしても、自分のところに、障害のある子供が配属されるなんて事は、10年前の私の未来予想図には、なかったことで、人生、大幅に、ずれてしまったようにも見える。

にもかかわらず、「そうちゃんが生まれて、人生変わったでしょう?」と真っ向から問われると、不思議と、それほどは変わってない気がするのだ。

あくまで、それまでの人生の延長線であることは、間違いない。

その都度、自分に無理がないよう、自分の気持ちにウソつかないよう、時に、たっぷりたっぷり、自分を甘やかしながら、軌道修正は余儀なくされてはきたけれど。。

私としては、ほんのちょっとづつ、気持ちを新たにしてきたから、そう思えるのかもしれない。

 

人生は、自分の前に、まっすぐに道がのびているように想像しがちだけれど、ヒョッとまわりを見渡すと、今まで気がつかなかった道が、あっちにこっちにあるものだなあ、、、ということを、そうちゃんは、教えてくれた。

道は、まっすぐと、どこかに向かっていくものではなく、その都度、分かれ道や抜け道があって、いろんな道を歩きながら、後ろを振り向いたら、自分が歩いてきた所が、道になっていた、、、という感じなのかもしれない。

 

今日もまた、世界のどこそこで、かわいい、元気な赤ちゃんが、大勢、誕生しているだろう。

だけれど、その中には、病気を抱いて生まれてきた赤ちゃんも、いることと思う。

そのことを思うと、あの時の私を思い出し、胸が痛む。

 

いろんな思いを馳せながら、、、今日生まれた、みーんなに、ハッピーバースデー!!

 

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そうちゃん」カテゴリの記事

コメント

そうちゃん、お誕生日おめでとう!!
いつもちはるさんのブログに元気もらってます。
動物園のお話は、すごーく楽しくて、何度も笑わせていただきました。ちょっと、ドリフのコントを見てるみたい・・・。(失礼)
私は、結婚10年目なんですが、子供には恵まれません。かわりに、変わった病気になり(2年前)、もう治らないと言われちゃいました。
でも、ちはるさんのブログ読んで、げらげら笑っているうちに、物事何でも考えようなんだなあって思えるようになった気がします。
そうちゃんを育てることは喜びも大変さもたぶん私には十分に理解できないことなんだろうけど、みんな色んな事情をかかえ、一生懸命生きてることはすごく伝わってきます。
これからも、たのしいそうちゃん話を期待してますね。

投稿: ぱる | 2006年4月14日 (金) 12時08分

 いつも拝見しています。
 そうちゃんは、素敵な家族に恵まれて、本当に良かったですね。そして、見知らぬ私を笑わせたり、泣かせたり、生きる本質を教えて軌道修正してくれる天才クンです。
 ちはるさんのこと、そうちゃんのこと、ご家族みなさんのこと、応援しています!
 そうちゃん!これからも私を開眼させてくれぃ。
 

投稿: まるめがね | 2006年4月15日 (土) 01時28分

そうちゃん10歳おめでとうございます!

そうちゃんの人生がこれからも幸せいっぱいで、
まわりの人たちにも幸せをいっぱい与えて
くれることを期待してます!

ちはるさんのエッセイ、り香さんとはまた
一味違っていつも楽しませていただいてます。

投稿: naoko | 2006年4月15日 (土) 02時47分

ちはるさん、そうちゃん、一緒に過ごした10周年と10ヶ月、おめでとうございます (*^ー^*)
ブログから漂って来るちはるさんのゆるやかさが、私は、とても
好きです。
独身の私には想像のつかないお母さん、そして主婦の毎日、きっと日々、戦場なのだと思います。
毎日、まいにち、色んなことが起きて、ハプニングだらけで、すごーく大変な中で、こんなに素敵なブログを書いてくださるちはるさんに、とても、とても感謝し、感動しています。
新学期になって、行事etc.振り回されることだらけでしょうけれど・・・、毎日、楽しく、笑って、笑ってお過ごしになれます様に・・・!
ありがとうございます!!!

投稿: ゆうこ | 2006年4月15日 (土) 10時58分

そうちゃん、10歳おめでとう!!
いつも笑ったり、感動したり、共感したりしながら読んでいます。
ちはるさんのブログを読んでいますと、まるで私もその場にいるような感じがします。これからも楽しみにしています!
そうちゃん、ケーキ食べたかな?

投稿: まゆみん | 2006年4月15日 (土) 15時03分

「心の底から笑うことはもうないだろうな・・・。」と私も同じように思っていた時期がありました。
子どもの病気を受け入れなくてはと焦る気持ち、まだ信じられない気持、私たち家族の未来がとざされてしまったという失望感、それでももっともっと大変な病気の人もいると現状に感謝したり・・・いろいろな思いをその時々に感じ、時がたった今はその事実がいつの間にか自分に馴染んでいたという感じです。

心の底からも笑います。
メソメソもたまにします。でも「こんな日もあるさ。」とまた笑えます。

ちはるさんとそうちゃんペアの10年、私とうちのそうちゃんペアの2年半・・・まだまだこれからですね!!

投稿: こころ | 2006年4月17日 (月) 22時31分

はじめまして♪
誕生日おめでとうございます。

何個か日記を拝見させていただきました。

障害を持つお子さんを育てることは、とても大変だと思います。
社会的な偏見もあるでしょうし・・・。

でも、一人一人の子どもには、
一人一人の輝いている部分が、あると思います。
それをみつけられると
もっと世界が、ひろがるのかなぁって
思うのですが・・・。

余計のお世話で すみません。

また、訪問させていただきます♪

投稿: 長 竜太郎 | 2006年5月 5日 (金) 22時25分

ちょっと遅くなってしまいましたが、、、
そうちゃん お誕生日おめでとうございます。うちにもそうちゃんがいます。うちのそうちゃんは4月20日で5歳になりました。
うちのそうちゃんは 今は元気ですが、生まれるまでと生まれてからの数年は病気病気の連続でした。

子供は可愛いはずなのに、あー この子が可愛いとか思う前に もしかして、次に具合がわるくなったら死んでしまうかも‥という日々もありました。
ちはるさんの ”朝 目がさめて‥”のくだりを読んだときに ちょっと涙がこぼれました。

本当に子供は天からの預かりものですよね。
私も そう思って5年過ぎた気がします。

幸いにもうちのそうちゃんは 元気になり、今は怪我でいつか死んでしまうんじゃないか とハラハラの日々です。
そうちゃんから いつの間にかソウソウと呼んで彼は彼の意思で道を進んでいます。

そうちゃんも、そうちゃんの道を行けたらいいですね。

ちはるさんのブログ すごい笑えます。ぷぷぷと笑っていると ママ何笑ってるの~ と子供がよってきちゃって困ります。

投稿: spica | 2006年5月26日 (金) 21時39分

生きる気力を失っている今日なので、ブログがより心に染みました。
まだまだ、やる気は出ないけれど、生きてはみようと思います。

投稿: こよ | 2011年5月 6日 (金) 06時52分

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