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子供の頃の習い事・ピアノ編(1/3)

ピアノを習っていた、小学生だった頃の話。

 

 

”このピアノさえ、家になかったら、、、!!”

これは、私と姉が、小学校(特に低学年)の頃、心の奥底から感じていた、悪の呪文のようなものだ。

 

ポロポロポロポロ。。。

心地よい、優雅なピアノの音色。

でも、実は、優雅な印象を受けるものほど、舞台裏は大変だ。

鳥は、水面では、余裕の顔をして、気持ちよさそうに浮いていても、水の中では、バタバタバタと、絶えず、足を、忙しく動かしている。

それと同じで、美しいものほど、人の目に映らない影で、人知れず、地味でストイックな努力を必要とされるものなのかもしれない。

 

ボロっボロっ ボーロボロ。。。

私の弾く、つっかかってばかりで、気持ちの入らないピアノの音色。

こちらは、間違っても、優雅とは言えないので、舞台裏は、さぞかし、暇で、のーんびりしたものなのだろう、、、と、思われるかもしれない。

、、、が、どっこい、そんな事はない。

こちらの舞台裏も、それはそれで、大変だった。

 

母・よしこは、ピアノが大好きで、昔、音大に進みたかったのだが、その夢は叶わなかった。

で、子供の私たち(私と姉)に、夢を託した。

だから、音大を目指せるくらいに、厳しく指導してくれる先生を、近所で探した。

毎日、夕方になると、「ピアノの練習しなさい!」 「早く弾かないと怒るわよーっ!」という、よしこのゲキがとんだ。

夕方といえば、当時、”アタック№1”や”サリーちゃん”など、私たちの好きな番組が目白押し。

”こずえちゃん、、、がんばって、、!!”と思って、盛り上がっているところを、バチッ

よしこが、無情にも、テレビのスイッチを消す。

私たちは、黒いピアノをにらみつけながら、「りかちゃんが先!」 「ちはるちゃんが先!」 「昨日は、りかが先に弾いたから、ちはるちゃん!」

、、、今日は、どちらが先に、最初の犠牲者となるのか、言い争う。

結局は、じゃんけんの敗者が、渋々、ピアノに向かい、鍵盤をたたきつける様に弾く。

ピアノの音色には、心がそのまま映ってしまう。

その音色を聴いた母が、怒る。

ますます、ふてくされた音になる。

よしこの手が飛んでくる。

しまいには、「出ていきなさーいっ!!」という事になり、家を追い出される事に。。

ここまでが、ひとつのパターンになっており、違う事といえば、追い出されるのが、私なのか、姉なのか、それだけだった。

 

当時、私たちは、よく、追い出されていた。

(文字通り、”着の身着のまま”、靴をはく猶予も与えられずに、家からつまみ出された。

この、”追い出されたこと”を語ると、長くなるので、この話は、またの機会に。。。)

私たち姉妹は、追い出されるほど、ひどくしかられたのは、ピアノがらみの事だけだった。

まー、しかられるのは、しょっちゅうだったけれど、大抵は、「ハーイ。」 「ハイハーイ。」と返事しているうちに、何となく解決していった。

が、こと、ピアノの事になると、よしこの怒りっぷりは、スゴカッタ!

 

でも、皮肉にも、よしこが怒れば怒るほど、私たちは、ヤル気を失い、反抗心をもやすことになった。

そして、”悔しいから、頑張って練習しよう“という方に向かえば、めでたしめでたしだったのだが、私たちは、”いかに、練習をサボるか”という方向にまっしぐら。

よしこが外出して、家にいない時は、「ラッキー!!」

姉と手をとりあって、喜びを分かち合った。

そして、”練習したことにしよう”と言って、楽譜に丁寧にも、”つば”をつけて、めくった跡をつけ、いかにも、練習しましたという証拠をつくり、のびのびとした気持ちで、ゆっくりとテレビを楽しんだ。

(当時、家では、”テレビは一日30分まで”と決められていたので、テレビを、いつもより長く見られることだけで、幸せな気持ちがこみ上げてきた。

いつもは見られない、”いなかっぺ大将”なども見て、楽しんだ。)

また、母が家にいる時でも、練習する時間は、大抵、よしこは、キッチンにいたので、”ピアノを好きで弾いているんじゃない”という、反抗心から、ピアノの横や、ペダルのところに本をひろげ、片手づつの練習の時などは、本をチラチラ読みながら、弾いていた。

こんな練習をしていて、うまくなるはずもない。

メト-ドローズという、ばら色の表紙の、横開きのピアノの楽譜があるが、一つの曲が完成して、次の曲にいくまでに、いったい、どのくらいかかったことか、、、。

それは、それは、気が遠くなるほど、時間がかかった。

(姉もまた、私と同様、メトードローズに、よい思い出なんて、かけらもないと思う。)

 

レッスンの日、先生は、私の演奏を聴くあいだ中、”ハア、、、っ。” ”ハア、、、っ。” と、何回、ため息をついたか、わからない。

私たちは、”ため息先生”に2年くらい習った後、よしこの考えにより、その先生をやめて、別の先生に習うことになった。

ため息先生のお宅に、よしこが、”辞めます。 お世話になりました。”と挨拶に行ったとき、”これで、私も、気がラクになります。”と言われたというのだから、どの程度、先生にとって、私たちが、お邪魔な劣等生であったかは、容易に想像できる。

 

次回につづく。                                                                                                                           

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コメント

はじめまして。

突然の、しかも過去の日記にコメントにて失礼します。

現在はコメント欄を閉じていらっしゃるみたいなので、お読みにならないかもしれませんが。。。。

お姉さまのお料理のファンで、そこからたどりついたこのブログでしたが、とっても、とっても、心にしみる話題が多くて、なんとかひとことコメントさせていただきたくて。。。おゆるしくださいね。

ちはるさんは、そうちゃんのお母さんとしてそうちゃんに関わっていらっしゃいますが、私は、兄弟に障害をもつ子がいる家族として育ちました。

私は今30代で、弟は32歳。子供が4人の家で育ちました。
私自身は5年生と1年生の母です。

大変なことも、楽しいことも、そりゃもう、いっぱいありました。
大変な子育てをする母をずっと見ていましたし、兄弟姉妹、それぞれにいろんな(ほんとにもう、一言では言えないいろんな)思いを抱きながら育ってきました。ブログを読みながら、そうちゃんの妹ちゃんや弟ちゃんの様子に共感したり、感心したり。
そして、ちはるさんの、お母さんの視点は、いままで私が理解できなかったような母の(多分)気持ちを私に気づかせてくれました。

また、ちはるさんがそうちゃんの気持ちを想像して書いている部分は、まるで私の障害を持つ弟からのメッセージのように思えました。
楽しい話題もいっぱいなのに、なんでか涙がでてしまう、ちはるさんのブログなのでした。

障害を持つ子の兄弟であるわたし、お母さんであるちはるさん、立場は違うけど、応援します。
わたしも、もうちょっと家族になにかできないか、考えてみます。

突然で失礼致しました。

投稿: ももか | 2008年7月28日 (月) 11時21分

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